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2020年4月

  • 2020年4月25日

パステルカラーのように優しい情感を表出! ドビュッシー「ベルガマスク組曲」

ピアノコンクールの花形「月の光」   大抵の大作曲家には代名詞のような口ずさめる音楽があるものです。 たとえばベートーヴェンであれば交響曲第5番「運命」冒頭のジャジャジャジャーンでしょうし、モーツァルトであればピアノソナタのトルコ行進曲がそうでしょうし、ショパンであれば「英雄ポロネーズ」がそれにあたるでしょう! ではドビュッシーといえば何でしょう…。 やはり「月の光」でしょうね。ドビュッ […]

  • 2020年4月21日

やりたい放題の男が最後に行きついた永遠の愛 グリーグ「ペール・ギュント」

自分探しのペールが行きついた先は……   Edvard Grieg  1843- 1907   Henrik Ibsen 1828- 1906   エドヴァルド・グリーグ(1843-1907)の「ペール・ギュント」は今も多くの人に愛され続ける管弦楽組曲の名曲で、劇音楽です。 中でも「朝」や「ソルヴェイグの歌」は知らない人はいないのでは…と思うほど、あまりにも有名で愛さ […]

  • 2020年4月16日

民衆を導く預言者の姿が心揺さぶる メンデルスゾーン オラトリオ「エリヤ」

マタイ受難曲を復活させた功績   メンデルスゾーンはユダヤ教から改宗した篤実なキリスト教信徒(プロテスタントの要職者)でした。 有名な銀行家だった父、名家の娘で音楽に造詣が深かった母、作曲家でピアニストだった姉……。メンデルスゾーンはその星の下に生まれるべく、最高の音楽的な環境を与えられたのです。 幼い頃から様々な宗教音楽に触れ、バッハのカンタータや声楽曲に深い愛情を寄せる、文字通り博愛 […]

  • 2020年4月9日

センス抜群の描写と感性が心に響く! マルケ「バルコニーからの眺め」

豊かな感性・卓越した造形センス   マルケは同じテーマの絵を何度も何度も繰り返し描いた人です。 それもまるで日記のように、ある時はパリの街並み、アルジェリアの港、ナポリ湾と……、その時の心境を素直に風景に重ね合わせるように描いているのです。 ちょっとだけ見ると、ラフなタッチで稚拙な雰囲気の絵のように見えますが、実はとっても魅力たっぷりの絵なんです。 彼の絵には衝撃を与えようとか革新的な技 […]

  • 2020年4月4日

混沌と不安の時代に光を放つ交響曲 ブルックナー「交響曲第9番」

ベートーヴェン第九の呪縛   楽聖ベートーヴェンは交響曲を飛躍的に発展させ、深化させた音楽家としてよく知られています。 特に最後の交響曲第9番(通称第九)は古典の枠に収まりきれず、第1楽章に抽象的な主題を導入したり、最後の楽章に合唱を入れたりして、ありとあらゆる交響曲の可能性を追求したのでした。   第九の到達したレベルがあまりにも高かったため、その後の作曲家は交響曲というジャ […]