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2020年9月

  • 2020年9月27日

挫折と偏見を越えて到達した農村での自然体の画境 ミレー「晩鐘」

農業への喜びが垣間見える傑作 ミレーの「晩鐘」は、彼がバルビゾンに腰を据えて農民たちの連作を次々と発表した頃の代表作です。 「晩鐘」はもはや説明する必要のない絵ですね! 「落穂拾い」と並ぶミレーの代表作ですし、人気作としても有名です。 テーマは夕暮れの中で真摯に祈りを捧げる農民たちの姿を描いた、ごくありふれたものなのですが、画面からは何とも言えない懐かしさや郷愁、優しさが伝わってきます。 牧歌的な […]

  • 2020年9月20日

プレイボーイに翻弄される女心とその顛末! モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

あらすじ ある日、ドン・ジョヴァンニの従者レポレッロは、女性遍歴を次々と重ねる主人のやりたい放題ぶりを嘆いていた。 そこに騎士長の館から助けを呼ぶドンナ・アンナの悲鳴が聞こえて、ドン・ジョヴァンニが逃げ出してくる。娘を救うために騎士長が彼に決闘を挑むが、逆に殺されてしまう。 ドン・ジョヴァンニに捨てられた貴婦人ドンナ・エルヴィーラ、父を殺されたドンナ・アンナとその婚約者ドン・オッターヴィオ、恋人ツ […]

  • 2020年9月11日

音楽シーンを彩ったニューエイジミュージックの音楽家たち2・西村由紀江

懐かしさとピュアなメロディ ニューエイジミュージックが日本で注目された1980年代は、世の人々が環境問題に目を向け始めた時代でした。 また多くの人が、癒やしや潤いを本格的に求め始めた頃だったように思います。   さて、ニューエイジミュージックというと、「ああ、ムード音楽ね」ととらえる方も少なくないようです。 また作品の完成度がどうとか、芸術性云々と言われる方も中にはいらっしゃるかもしれま […]

  • 2020年9月8日

奇抜な造形と強烈なメッセージ!ピカソ絵画の真骨頂! ピカソ『泣く女』

20世紀を象徴する天才画家   ピカソは20世紀最大の天才画家であり奇才でした。 ピカソというと、誰もが「現代絵画の神様」のような例えをするのは何故なのでしょうか? 「描くこと」ばかりでなく、単純化すること、別の角度でモノを見ること、形を組み変えること、分解して組み立てること……。とにかく常識を常識としてはとらえず、「旺盛な好奇心」や、「再創造して手を加えること」でありとあらゆる美の可能 […]

  • 2020年9月2日

メルヘンチックで透明感あふれる傑作 ヘンデル「エイシスとガラテア」

音楽の原点に帰るよう…   今やバロックの巨匠ではなく、オペラの巨匠としての真価が日増しに高まっているヘンデルです。 もしヘンデルの作品から声楽やオペラがなくなったらどうなるのでしょうか……?  それはヘンデルの宝のほとんどを失うことになるかもしれません。 それほどヘンデルの歌ものは他に代えられない魅力があるのです。たとえばイエス・キリストの人物像を描いたオラトリオ「メサイア」がいい例で […]