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ビバ・クラシカ!

  • 2019年7月10日

格別な癒やしと慰めの音楽 ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ

光と影と穏やかな温もり   ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」ほど、聴く時の気分によって曲のイメージが変わる作品はありません。 8年ほど前、中学の吹奏楽部で顧問をしていた高校時代の同級生が亡くなり、彼の追悼コンサートに参席しました。 その時、回想のシーンのバックで流れたのが、フルートのソロによる「亡き王女のためのパヴァーヌ」でした。 演奏も気持ちがこもって素晴らしかったですが、その […]

  • 2019年6月28日

失意の中で誕生した郷愁の香り漂う傑作!ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番

長い失意から抜け出した作品 芸術家は誰もが多かれ少なかれ、繊細でナイーブです。 どんなに力強い交響曲や壮大なスケールのオペラを作曲した人であっても、その本質はとても傷つきやすいし、デリケートなのです。 特に才能に溢れた作曲家であればあるほど、デリケートな感性の持ち主だったり、強い自尊心を持っている場合が多いですから、ひとたび心のバランスが崩れると修復が大変なのです。   19世紀から20 […]

  • 2019年6月3日

自然に湧き上がり、心に溶けこむ音楽 モーツァルト ピアノ協奏曲第15番K.450(1784)

モーツァルトを代弁するピアノ モーツァルトはピアノに大変な愛着を持っていました。 当然ピアノの音色が心にも身体にも深く染み込んでいて、おそらく即興で作曲するときもピアノがモーツァルトの心をストレートに代弁していたのかもしれません。 中期のピアノ協奏曲の第15番K450もそんなモーツァルトの素直な心境があふれる傑作です。 なんと言ってもピアノの音色そのものに、モーツァルトの心の動きが現れているのです […]

  • 2019年5月14日

深い哀しみが到達した無上の美しさ モーツァルト 交響曲第40番ト短調K.550 

あふれる涙と研ぎ澄まされた感性 交響曲第40番ト短調は昔から人気が高くポピュラーな作品です。 モーツァルトといえば、「アイネ・クライネ・ナハトムジークがいい」と言う人もいるでしょうし、「やっぱりフィガロの結婚だね」という人もいるでしょう……。 でもなぜか気になり、忘れられないのが交響曲第40番ト短調です。特に有名な第一楽章の第一主題のテーマは一度聴いたら忘れられない衝撃を受けることでしょう。 この […]

  • 2019年4月4日

ミサ曲の常識を超えた壮大なスケール ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」

ミサ曲の常識はうち破られた!   日本ではさほどではありませんが、西洋音楽の歴史をひもとくと、カトリックをはじめとして数多くのミサ曲が作られてきました。 しかし、ミサ曲は数多くあれどもベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」ほど、一般的に思い浮かべる宗教的な雰囲気からかけ離れた作品はないでしょう。 「ミサ」といえばカトリックの典礼の一環として行われる大切な行事の一つですが、これをはじめて聴く […]

  • 2019年3月25日

聴き手を唸らせる充実度抜群の傑作 ブラームス ピアノ協奏曲第2番

ピアノを伴う一大交響曲 ブラームスは交響曲の作曲には、とても慎重だったといわれています。 なにしろ交響曲第1番の着想から発表までに要した期間が20年というのですから、ちょっと尋常ではありませんよね……。 もちろん、それはベートーヴェンの交響曲という大きな存在があったからですが、協奏曲の作曲に関しても軽々しく作曲するということはなかったようです。 ピアノ協奏曲第2番の場合も同じです。徹底的に推敲を重 […]