時間は貴重です。昔から「時は金なり」というように、その大切さはずっと認識されてきました。
時間の使い方次第で人は価値ある人生を送れるし、使い方を間違えると奈落の底に転落してしまうこともあり得ることです。
しかも時間の使い方にはその人の人格が表れるともいいます。価値ある時間にするためにはどうしたらいいのか…、そのことについて考えていきます。
無駄な時間をなくす
一日の計画を立てる上で大切なことは、無駄な時間を極力なくすことです。
もちろん休憩する時間は必要だし、食事を摂る時間も、ある程度は割かなければなリませんよね。
では、無駄な時間をなくすとはどういうことでしょうか?
かけなくてもいい時間を、必要以上にかけないということです。
たとえば朝6時半に起きて、8時に出勤するとします。出勤までの1時間半のうち、身支度をするのに30分かかっていたとすれば、それを15分に短縮すればいいのです。
仮に15分短縮できると、他のもっと大切なことに時間がまわせるようになります。
無駄な時間を削って、隙間時間を生み出すという発想です。
朝だったら散歩に出てみたり、仕事の予定を確認したり、スケジュールの確認をすることもできるでしょう。
無駄をなくして隙間時間をつくっていくことは、ちょっと工夫すれば誰にでもできることです。そのことが生活にリズムを生み出し、思わぬ波及効果が出てきたりするものです。
メリハリをつける
時間のメリハリをつけることはとても大切です。
「無意識に時間を潰してた」「ただ、ボンヤリ過ごしてしまった…」ということはよくあることです。
時間の使い方にメリハリがなくなると、仕事や生活にも元気がなくなってしまいます。時間の使い方というのは、そのときの自分の気持ちの表れなのです。
ですから、気持ちが乗らない時や、落ち込んでいる時はズルズルと無意味に時間を潰しやすいのです。
何か物事に取り組む場合、その事に対してやりきっているのか(完全燃焼状態)、それとも何となくやっているのか(不完全燃焼状態)を意識する必要があるでしょう。
完全燃焼状態というのは意欲的であることはもちろん、その事に対して喜んでやれたり、愉しむことができる状態のことをいいます。
完全燃焼すれば、どのような結果になろうとも、やった事に対して謙虚に冷静に判断することができるし、充実感や希望があり、自分に誇りが持てるようになるのです!
それに対して不完全燃焼状態というのは、可もなく不可もなく責務として遂行するけれど、やり終えた後の充実感がなく、倦怠感が残り、希望が持てないような状態をいいます。
こういう状態が続くと、「自分て何なの?」というような自己嫌悪に陥りやすい状況になってしまうかもしれません……。
大切なのは物事に対して、やりきったという実感を持つことです。
もし仕事や人間関係で完全燃焼できないというのであれば、自分がとことんやれるというものを見つけて、自分の思考パターンを変えながら、生活にメリハリをつけることが大切になるでしょう。
無理な計画は立てない
昔、「3時間・4時間睡眠法」という類の本が書店にズラリと並んだことがありました。
でも3時間睡眠がどれほど効果的であったとしても、自分に合わない方法はいくらやっても意味がありません。
逆にそれが自分の体調やペースを乱す基になってしまうかもしれません。
時間の使いかたも同じです。自分のペースや生活スタイルに合わないのに、無理して合わせようとしたり、自分を追い込むようなやり方はあまりオススメできませんね……。あれもこれもと欲張ってしまうのも良くないです。
最初は良かったとしても、無理がたたって途中であきらめてしまったら元も子もありません。当然、時間の無駄になってしまいます。それよりも挫折感や敗北感が残って精神的なダメージが大きいため、また計画を立て直すのに相当なパワーが必要になってしまいます。
自分のライフスタイルと照らし合わせて、計画がモチベーションを保ちながら実行していけるのかどうかをよく検討してみましょう。確実に実行できるようになったら、少しずつレベルアップするのも悪くありません!
有益な時間、無益な時間?
ストレスを発散することは必要なことですよね。
ただ、どのような気持ちや目的でストレスを発散しようとしているのかを見極めることはとても大切です。
同じ事をするにしても、それが自分にとってどのようなプラスの効果があるのか、それとも衝動的に自分の感情のままに行動しようとしているのかをしっかり見極めなければならないのです。
これを間違えると、同じことをしても「あの時間、無駄だったなー」とか、「私は何でいつもこうなんだろう…」というように自分を責めることになりかねません。
衝動的に本能のままに動くと、何ら動物と変わらないのです。(もしかして動物も何かしら目的を持って動いているかもしれませんね…)
極端な話をします……。ある日、心身ともに疲れたので、お酒を飲みに行って憂さ晴らしをしたとします。
その時、衝動的に飲んで酔いつぶれてしまったのか、それとも次の仕事に入るために気持ちのリセットをしようとしたのか…。同じお酒を飲んで憂さ晴らしをしたとしても、行動の持つ意味がまったく変わってしまうのです。
その場しのぎの行動は、やっぱりその場しのぎの行動でしかないのです。
でも、行動に対して、明確な意味や目的を持たせれば、その行動自体が次につながるようになるのです!
時間の種まきをする
「時間の種まきをする」ということは、次につながる時間をつくるということです。
実はこれがとても大切なことなのです。
人は夢や目的を実現するために、地道に辛抱しながら時間を積み重ねていかなければならないことがあります。
時間を積み重ねていくことはとても忍耐力がいるし、大変なことですが、やり続けることはとても価値があります。
なぜかというと、やり続けることによって時間の投資をするようになるからです。
すぐに収穫を得ることができないから、人は日々の心と想いを込めた時間の積み重ねで収穫のための時間の種まきをするようになるのです。
目には見えないけれど、蓄積された真心や愛情、変わらぬ気持が充満しつくしたとき、考えられないような収穫を得られるようになります。
多くの挫折も味わうかもしれません。でも自分が信じた道、好きなことをあきらめないでやりつくしていく姿は貴いし、もし結果が得られなかったとしても、それに代わる大切なものを手に入れるようになるかもしれません。
このような時間を持てば持つほど、積み重ねられた時間が何倍にもなって戻ってくるのです。