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名画の世界

  • 2022年6月25日

ミクロの世界から時空を超えたマクロの世界へ・ブリューゲル「バベルの塔」

  16世紀ベルギーの天才画家、ブリューゲルには『バベルの塔』と名づけられた大小2枚の名画があります。 この2枚の作品はいつの時代も、見る人に理屈抜きで堪能できる絵画ならではの面白さやメッセージを送り続けてきました。それは500年ほどが経過した現代でもまったく変わっていません。 今回は小さいほうのバベルの塔をメインに魅力やエピソードについてご紹介していきます! 人間の傲慢さと無力 ブリュ […]

  • 2022年4月20日

一瞬の輝きを刻みこんだ名画・モネ『散歩、日傘の女』

「ああ、この瞬間をカメラで撮影できたらなあ…残念」 皆さんはシャッターチャンスを逃してしまって、このような口惜しい想いをした経験はありませんか? デジタル技術が目まぐるしく進歩して、カメラの性能も日進月歩で高性能化している現代でさえそうなのですから、過去のクリエイターやアーティストたちはどれほどの想いだったのでしょう……。 しかしそんな時代のハンディを感じさせるどころか、むしろそれをメリットに変え […]

  • 2022年3月19日

黄金色に輝くアルル時代絶頂の名作・ゴッホ「ラ・クローの収穫」

  南仏に求めた明るい日差し   西洋絵画史上、最も強烈な印象や足跡を残した人としてゴッホの名前を挙げる人は多いでしょう。 しかも彼の偉大な作品は晩年の2年間にほぼ集約されています。その2年はゴッホ自らがユートピアと謳ったアルル滞在時代でした。 この時代に彼は代表作と言われるほとんどの作品を描いたのです。アルル時代はゴッホにとってすべてが新鮮で創作のエネルギーが湧きあがる充実し […]

  • 2022年1月6日

木訥とした画風に隠された味わい深さ・マルケ「ポン=ヌフとサマリテーヌ」

平凡な絵の中の非凡 Embed from Getty Images 1934年、モスクワで開催された若手画家の展覧会を訪れたアルベール・マルケ(右から3番目) (Photo by Keystone-FranceGamma-Rapho via Getty Images)   マルケという人はちょっと見ただけだと何でもないような絵を描いてるようにしか見えません。 しかし、よく見ると実は凄い絵 […]

  • 2021年11月6日

容赦ない批判の対象になった古典的名画・アングル「グランド・オダリスク」

散々なほど貶された絵画 今やドミニク・アングルの代表作として名高い「グランド・オダリスク」ですが、1814年に公開されてしばらくの間は決して世評は高いとは言えませんでした。 むしろ格好の攻撃対象としてサロンでは散々な非難を浴びたのです。 その非難のほとんどが「解剖学的にこれはおかしい」とか、「実際にありえない人間の身体だ」という内容だったのです。 特にひどかったのが、1819年のサロン出品時でした […]

  • 2021年9月10日

形と色の可能性をあらゆる角度から徹底的に追求! マティス「赤のハーモニー」

  あらゆる要素に意味がある Embed from Getty Images 1947年頃、フランスのヴァンスにある自宅のベッドで 紙の切り抜きをするアンリ・マティス(1869-1954) (写真提供:Archive Photos / Getty Images)   これはアンリ・マティスの比較的初期の作品ですが、彼の絵画の方向性を決定づけた非常に重要な作品です。 マティスの構 […]

  • 2021年7月27日

心象風景と現実がオーバーラップした絵画 モネ「睡蓮」

  モネ晩年のライフワーク Embed from Getty Images モネが晩年を過ごした家 モネは見慣れた何でもない風景にちょっとした魅力を発見し、それを光と色彩の巧みな描写によって絵の魅力を倍増させた人でした。 ところで「モネの代表作は何か?」とたずねられたら何と答えますか?おそらくほとんどの方は「睡蓮」と答えるのではないでしょうか?モネ=睡蓮だという方もいるくらいです。 確か […]

  • 2021年5月14日

テーマが明確! 動きや構図、色彩に特化した絵画 マティス「ダンス」

  絵画の概念を根底から覆す 小学生の頃だったでしょうか……。この絵を初めて見たときは本当にビックリしたものでした。 「こんなにアッサリ、すっきり絵をまとめちゃっていいんだろうか」と。 その後、「絵の本当の良さ、価値って一体何なんだろう……」としばらく悩んだものです。 思えば20世紀絵画は大革命と言っていいような変化と激動の時代でした! 人間のあらゆる表情・性格を同じ平面上に表したピカソ […]

  • 2021年4月21日

人間と苦楽を共にし、寄り添う自然の姿を描く! ルーベンス「虹のある風景」

  自分の内面を見つめるゆとり 風景画は描いた人の人生観が絵に表れやすいと言われます。 「虹のある風景」は歴史画、人物画の大家としてバロック絵画の頂点を極めたルーベンスが晩年に描いた風景画です。 ルーベンスといえば筋骨隆々とした力強く豊満な肉体の人物画を描いてきた人としてあまりにも有名ですね。 でも彼が晩年になると次第に農夫や動物たちを配置した風景画を描くようになります。これはどういうこ […]

  • 2021年3月25日

古典的な様式美の中にあふれる愛情とユーモア シャルダン『食前の祈り』

家族の日常を愛情豊かに描いた名画 以前、「家族を描いた名画は少ない」との内容を投稿したことがありました。 確かに家族を肖像画として描いた絵は画家と描かれた家族との信頼関係や良好なコミュニケーションが成立しない限り、なかなか難しいものがあります。 しかし、例外もあります。それは家族の日常を愛情あふれる一瞬の光景としてとらえられた場合ではないでしょうか? その代表的な作品がシャルダンの名画『食前の祈り […]