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名画の世界

  • 2020年7月20日

センスあふれる表現が光る! ドガ「婦人帽子店」

  抜群の洞察力、表現力   ドガはルネッサンスから古典派へと続く、正統的でアカデミックな画壇の系譜を受け継いだ数少ない実力画家の一人です。 持ち前のデッサンの腕前は比較する対象がいないくらい抜群でしたが、特に油彩よりもクロッキーやパステル画などのスピード感や観察力がものをいう描画において最高に適性を発揮した人と言えるでしょう。 さらに父が資産家で、パリのオペラ座(オペラやバレ […]

  • 2020年6月18日

科学的な分析による絵画技法の金字塔 スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

究極の点描画   スーラ作の「グランド・ジャット島の日曜日の午後」。 皆さんはこの絵をどこかでご覧になったことがあるのではないでしょうか?とにかく有名な絵ですね。 「グランド・ジャット」はスーラの一世一代の傑作であると同時に、様々な研究を積み重ねた結果たどり着いた作品だったのでした。 そして彼独自のオリジナル技法が大変な反響を呼んだ絵だったのです。 スーラは、印象派の画家たちが用いた「筆 […]

  • 2020年6月15日

肖像画の認識が変わる絵画 アングル『ドーソンヴィル伯爵夫人の肖像』

アカデミックな絵の典型? 19世紀フランスの画家ドミニク・アングル(1780-1867)は人が羨むようなデッサンの達人でした。 しかし彼は卓越したテクニックと画力の持ち主であったけれども、決して技術に溺れるような人ではなかったのです。 もちろんデッサンの技術を最大限に生かすけれども、必要であればいくらでも形を崩したり、表現の可能性を採り入れる等、進取の気性に富んだ画家だったのです。 この『ドーソン […]

  • 2020年5月27日

シリアスなテーマがファンタジックな世界に! ルソー「眠るジプシー女」

日曜画家から始まったルソーの画歴 「眠るジプシー女」。 皆さんはこの絵をどこかで目にした事があるのではないでしょうか? おそらく中学か、高校あたりの美術の教科書にはこの絵が掲載されていますね……。「ちょっと不思議な絵柄が気になって仕方がなかった…」という方もいらっしゃることでしょう。 静まった夜の砂漠で、深い眠りに就いている女性にライオンが近づいているという光景なのですが、これが何とも不思議なんで […]

  • 2020年4月9日

センス抜群の描写と感性が心に響く! マルケ「バルコニーからの眺め」

豊かな感性・卓越した造形センス   マルケは同じテーマの絵を何度も何度も繰り返し描いた人です。 それもまるで日記のように、ある時はパリの街並み、アルジェリアの港、ナポリ湾と……、その時の心境を素直に風景に重ね合わせるように描いているのです。 ちょっとだけ見ると、ラフなタッチで稚拙な雰囲気の絵のように見えますが、実はとっても魅力たっぷりの絵なんです。 彼の絵には衝撃を与えようとか革新的な技 […]

  • 2020年3月27日

印象派の道筋を切り開いた! モネ「印象・日の出」

画風の変化は画家の自然な感情   画家が制作を続けていくときに避けて通れない宿命的なことがあります。 それは自分の心に忠実にモチーフを見れば見るほど、新たなスタイル(画風)へ転換する意識がどんどん湧き上がってくることです。 画家の作風が既に一般に広く定着し、受け入れられている場合には、その欲求を打ち消すのは容易ではありません。しかし、画家としてさらに成長し進化するためにはその可能性を否定 […]

  • 2020年2月29日

優しい筆のタッチが生む詩情豊かな風景 コロー「モルトフォンテーヌの思い出」

夢の出来事を切りとったような詩的な風景   絵には人柄が表れるといいますが、それは本当ですね……。 ミレーと並ぶフランス・バルビゾン派の画家として有名なコローですが、彼は才能ある貧しい画家たちへの経済的な援助や協力を惜しまなかったといいます。 そのような人柄は彼の絵にもしっかり反映されています。 コローの描く風景画はただの風景画ではありません。風景画というよりはそこに愛情や想いを投影させ […]

  • 2020年1月27日

微笑ましく心なごむ青春の詩 ミレー「春(ダフニスとクロエ)」

  いつまでも眺めていたい絵   一言で言えば、「癒やされる絵」ですね。   ミレーの「春(ダフニスとクロエ)」は東京・上野の国立西洋美術館の常設展示コーナー(松方コレクション)にある油彩画です。 私が初めて西洋美術館を訪れた時から夢中になり、絵の楽しさを知るきっかけになった懐かしい絵です。 古典的な様式に沿って描かれた絵で、ミレーの絵としてはサロンに出品する絵に比べ […]

  • 2020年1月15日

ナポレオンに翻弄された画家の歴史的大作!ダビッド「ナポレオンの戴冠式」

    ルーブル屈指の巨大な絵 名画の宝庫と言われるパリのルーブル美術館で、ひときわ目を引く絵画があります! それがダビッド作「ナポレオン一世の戴冠式と皇紀ジョゼフィーヌの戴冠」です。この絵は絵として見るだけでなく、様々な観点から凄い絵なのでした! 何が凄いのかというと、ナポレオンの権力を誇示するかのように描かれた仰ぎ見るような壮大なテーマと絵の大きさです! 横が約10メートル […]

  • 2019年9月20日

親子の絆と再会の喜びを描く レンブラント「放蕩息子の帰還」

  歴史画の概念を変える唯一無二の作品 家族の絵を描くことは意外に難しいと言われます。 それはモチーフとなる人たちから様々な意見や要望が出るからなのでしょう……。 「親子」をテーマにした絵は、さらにハードルが高いとも言われます。 「親子の絆、情愛」を描いた作品は過去にもたくさんありました。 でも描写が表面的であったり、構図やテーマの演出が過ぎるとか、納得できる作品がありませんでした。   […]