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名画の世界

  • 2020年8月21日

宇宙の調和は抽象表現がすべて! モンドリアン『赤・青・黄のコンポジション』

  宇宙の調和は抽象でなければ表現できない 絵から無くても困らないもの、無駄な要素をすべて取り除いていったとしたら……、最後はいったい何が残るのでしょうか…。 無謀とも思えるこのような試みを真剣に探求した人がいました。ピエト・モンドリアンです。 彼はアムステルダムの国立アカデミー卒業後にゴッホやスーラが描く点描画に強い共感を抱くようになります。このとき色彩の力を実感し、表現の可能性を探る […]

  • 2020年8月18日

誤解や不遇の時代を超えて! 普遍的な美しさにあふれた傑作・ミレー「羊飼いの少女」

初めて批評家から絶賛された作品 画家という職業は本当に難しい職業です。 近代・現代を代表する大巨匠ヴィンセント・ヴァン・ゴッホは存命中に売れた絵は数えるほどしかありませんでした。しかも経済的な困窮状態から抜け出すことができず、精神的な理解者にも恵まれないまま不遇のうちに世を去ります。 しかし、今やゴッホの絵は市場に出まわると驚くほどの高額で取り引きされますし、絵の価値は誰もが認めるものとなっていま […]

  • 2020年7月24日

ウサギの特徴と生態を正面から描ききった名画 デューラー『野ウサギ』

  ドイツルネッサンスの巨人! ルネサンス期のドイツの巨匠デューラーは聖書の連作や神話をテーマにした絵を描いたスケールの大きい画家でした。 デューラーの凄さをあげるとすれば、画家としての類まれな表現力はもちろん、中世ドイツ特有の職人気質の強い潔癖な作風があげられるでしょう。 特に聖書版画シリーズの連作は時代が移り変わろうとも色褪せない人類の至宝ですね! 皆さんはデューラーといえば、どんな […]

  • 2020年7月20日

センスあふれる表現が光る! ドガ「婦人帽子店」

  抜群の洞察力、表現力   ドガはルネッサンスから古典派へと続く、正統的でアカデミックな画壇の系譜を受け継いだ数少ない実力画家の一人です。 持ち前のデッサンの腕前は比較する対象がいないくらい抜群でしたが、特に油彩よりもクロッキーやパステル画などのスピード感や観察力がものをいう描画において最高に適性を発揮した人と言えるでしょう。 さらに父が資産家で、パリのオペラ座(オペラやバレ […]

  • 2020年6月18日

科学的な分析による絵画技法の金字塔 スーラ「グランド・ジャット島の日曜日の午後」

究極の点描画   スーラ作の「グランド・ジャット島の日曜日の午後」。 皆さんはこの絵をどこかでご覧になったことがあるのではないでしょうか?とにかく有名な絵ですね。 「グランド・ジャット」はスーラの一世一代の傑作であると同時に、様々な研究を積み重ねた結果たどり着いた作品だったのでした。 そして彼独自のオリジナル技法が大変な反響を呼んだ絵だったのです。 スーラは、印象派の画家たちが用いた「筆 […]

  • 2020年6月15日

肖像画の認識が変わる絵画 アングル『ドーソンヴィル伯爵夫人の肖像』

アカデミックな絵の典型? 19世紀フランスの画家ドミニク・アングル(1780-1867)は人が羨むようなデッサンの達人でした。 しかし彼は卓越したテクニックと画力の持ち主であったけれども、決して技術に溺れるような人ではなかったのです。 もちろんデッサンの技術を最大限に生かすけれども、必要であればいくらでも形を崩したり、表現の可能性を採り入れる等、進取の気性に富んだ画家だったのです。 この『ドーソン […]

  • 2020年5月27日

シリアスなテーマがファンタジックな世界に! ルソー「眠るジプシー女」

日曜画家から始まったルソーの画歴 「眠るジプシー女」。 皆さんはこの絵をどこかで目にした事があるのではないでしょうか? おそらく中学か、高校あたりの美術の教科書にはこの絵が掲載されていますね……。「ちょっと不思議な絵柄が気になって仕方がなかった…」という方もいらっしゃることでしょう。 静まった夜の砂漠で、深い眠りに就いている女性にライオンが近づいているという光景なのですが、これが何とも不思議なんで […]

  • 2020年4月9日

センス抜群の描写と感性が心に響く! マルケ「バルコニーからの眺め」

豊かな感性・卓越した造形センス   マルケは同じテーマの絵を何度も何度も繰り返し描いた人です。 それもまるで日記のように、ある時はパリの街並み、アルジェリアの港、ナポリ湾と……、その時の心境を素直に風景に重ね合わせるように描いているのです。 ちょっとだけ見ると、ラフなタッチで稚拙な雰囲気の絵のように見えますが、実はとっても魅力たっぷりの絵なんです。 彼の絵には衝撃を与えようとか革新的な技 […]

  • 2020年3月27日

印象派の道筋を切り開いた! モネ「印象・日の出」

画風の変化は画家の自然な感情   画家が制作を続けていくときに避けて通れない宿命的なことがあります。 それは自分の心に忠実にモチーフを見れば見るほど、新たなスタイル(画風)へ転換する意識がどんどん湧き上がってくることです。 画家の作風が既に一般に広く定着し、受け入れられている場合には、その欲求を打ち消すのは容易ではありません。しかし、画家としてさらに成長し進化するためにはその可能性を否定 […]

  • 2020年2月29日

優しい筆のタッチが生む詩情豊かな風景 コロー「モルトフォンテーヌの思い出」

夢の出来事を切りとったような詩的な風景   絵には人柄が表れるといいますが、それは本当ですね……。 ミレーと並ぶフランス・バルビゾン派の画家として有名なコローですが、彼は才能ある貧しい画家たちへの経済的な援助や協力を惜しまなかったといいます。 そのような人柄は彼の絵にもしっかり反映されています。 コローの描く風景画はただの風景画ではありません。風景画というよりはそこに愛情や想いを投影させ […]