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ビバ・クラシカ!

  • 2021年7月17日

ルールや形式を超えた恐るべき交響曲!ベートーヴェン交響曲第5番「運命」

血みどろの闘いのはてに Embed from Getty Images ハイリゲンシュタットを散歩するルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン   本当の幸福、いや幸福感と表現したほうが適切なのかもしれませんが……、幸福はただ黙って日々誠実に正直に生きていれば、あるとき自然に手に入るものなのでしょうか。 残念ながら決してそのようなことはないでしょうね……。 幸福は待っていれば訪れるという類の […]

  • 2021年7月7日

生命を削るメッセージが胸に突き刺さる!ベルク「ヴァイオリン協奏曲(ある天使の思い出に)」

20世紀の混沌と不安を象徴した作品 世に多くの作品あれど、これほど独特の情念と強いメッセージ性を持った作品は少ないでしょう。 この協奏曲を一般的な協奏曲によくある華麗で上品なイメージを想定して聴くと、とんでもない違和感を覚えるかもしれません。 ベルクのヴァイオリン協奏曲は20世紀の混沌と不安の時代的な要素を色濃く反映させながら、魂の浄化に至るまでの過程を表現した極めて訴えかける力の強い傑作です! […]

  • 2021年5月27日

輝きと生命力に溢れた音楽 ヘンデル「鍵盤のためのソナタ組曲第1番・HWV426」

心の養分のようなヘンデルの音楽 皆さんは日々の生活の中で、自然の営みがもたらす恵みや影響力について考えたことがあるでしょうか……。 おそらく普段はあまり意識しないですよね。 でもそれは私たちにとって確実に心の大切な部分で感知していて、知らず知らずに心の養分として吸収されているのかもしれません。 たとえば、何気なく通り過ぎる小径に咲いたコスモスの花々がまばゆいほどに美しかったとか、病気が回復したころ […]

  • 2021年4月17日

音のパレットから紡ぎ出される洗練と詩情!ドビュッシー『前奏曲全2巻』

感性が光る名曲   印象派の音楽家と言えば「ドビュッシー」というくらい、革新的で感性豊かな音楽を確立した人ですが、「彼のピアノ曲はどうも苦手だ……」とおっしゃる方は少なくなくありません。 初期の『アラベスク』や『ベルガマスク組曲』あたりは調性やメロディラインもはっきりしており、比較的親しみやすいのは間違いありません。 しかし後期の『映像』や『前奏曲』、『練習曲』になるとお手上げという方が […]

  • 2021年4月3日

壮絶な心の軌跡・ピアノソナタの傑作 ベートーヴェン『熱情』

苦難と向き合い傑作が誕生   1805年に作曲されたベートーヴェンのピアノソナタ第23番ヘ短調『熱情』は音楽史上あらゆる面で規格外な傑作です。 超絶的な技巧を必要とし、それまでのピアノの性能を超えた音域や音色、大胆な構成、火の出るような感情表現は当時の音楽界、ピアノ演奏に革命的な変革をもたらしたのでした。 この作品を発表する数年前のベートーヴェンはどん底ともいえる深刻な状況に襲われていま […]

  • 2021年3月18日

灼熱の太陽の輝きに似た魅力作 ヘンデル「ディキシット・ドミヌス」

灼熱の太陽の輝きに似た魅力作 ヘンデルはイタリア滞在時の若かりし頃、オペラの名曲を次々と発表しました。宗教曲『ディキシット・ドミヌス・主は言われた』もそのような時に誕生したのでした。 まず、この作品を聴いて感じるのは従来の厳かな宗教曲のイメージとは少し一線を画しているということです。 作品を聴くとわかるように、大変な意欲作で、これまでのカトリック音楽の慣例を打ち破ろうという気概に満ち満ちています! […]

  • 2021年3月16日

言い尽くせない心の記憶を美しく表現! バッハ「平均律クラヴィーア曲集第2巻」

バッハ作品の原点 平均律クラヴィーア曲集は、多くの傑作を残したバッハにとって作曲の原点であり、特別な位置を占める作品でした。 それは彼のライフワークでもあるピアニストたちの練習に約立つことや、これからピアノの基礎をしっかり学んでいこうとする音楽家たちにとって、充分に学ぶ意味のある音楽を提供することでもあったのです。 もちろん一般のリスナーや音楽ファンにも多くの示唆を与え、感性を刺激する味わい深い作 […]

  • 2021年3月4日

癒えない哀しみと苦悩の旋律 チャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』

ロマンチズムの極地、衝撃の交響曲   チャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調『悲愴』。言うまでもなく傑作中の傑作です。 この作品、以前は第4楽章があまりにも悲し過ぎて、好き好んで聴くことがありませんでした……。でも人生経験を積んで、いろんな想いを通過して改めて聴き返すと、これが本当に感動的なのです。そしてチャイコフスキーがなぜこの交響曲を書いたのかということに納得するし、大いに共感してやま […]

  • 2021年2月27日

無邪気な微笑みと人知れぬ涙と…。 モーツァルト『ピアノ協奏曲第12番』

モーツァルトの音楽は良質な絵本のよう   絵本はいつの時代も、大人が子どもに絵を見せながら読み聞かせるものとして親しまれてきました。幼い子どもたちの感性、創造性を育み、さまざまな教訓を自然に無理なく吸収できるものとして愛されてきたのです。 ところが今、絵本は大人も読んで感動したり、その楽しさを味わうものヘと変化してきています。 これはどういうことなのでしょうか……。冷静に考えると、絵本の […]

  • 2021年1月28日

天真爛漫で美しいメロディが全開!チャイコフスキー・バレエ組曲『くるみ割り人形』

メロディの宝庫! 一般的にクラシック音楽は他の音楽ジャンルに比べて高級だとか、敷居が高いと思われることが多いようです。でも、実際はどうでしょうか?  確かに他ジャンルに比べれば親しみやすいとは言えないでしょうし、長くて難解な曲もあることはありますね……。 でも、音楽の表現の領域や可能性が広いのもクラシック音楽の魅力です。 その証拠にグレゴリオ聖歌やミサ曲のような静謐で心洗われる音楽こそ音楽の原点だ […]