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ビバ・クラシカ!

  • 2024年5月20日

苦境の中で誕生した壮大な音楽抒情詩。シューマン・交響曲第3番

あふれる推進力とロマンチシズム これは個人的に大好きな曲ですね! 何がいいのかというと、第1楽章最初のテーマから迷わずグイグイ突き進む推進力が最高なのです。しかもまわりくどい序奏がないのも潔くて気持いいですね! 全編に希望と夢が漲っているし、ロマンチシズムの花々が随所に咲き乱れているところもロマン派の大家シューマンらしい……。晩年のシューマンが濃厚なロマンの香りを紡ぎながら、古典的なスタイルに練り […]

  • 2024年5月1日

孤独な魂に潜む無邪気な微笑み・シューベルト・ピアノソナタ第20番

シューベルトのピアノソナタ もし、「シューベルトのピアノ曲から好きな作品を選んでほしい」と言われたら、皆さんは何を選びますか?  私だったら作品90と作品142の『2つの即興曲』ですね。 『即興曲』は変奏曲スタイルに傑出した才能を発揮したシューベルトのリリシズムが最高度に発揮されているのです。 しかも、それぞれが夢の小箱を開けるようなピュアな魅力もあるし、叙情的なメロディが溢れているのもたまりませ […]

  • 2024年2月24日

叙情的な美しさ・感性が光るピアノ曲・シューベルト即興曲作品90

  説明不要のピアノの傑作 シューベルトのピアノ作品としてすぐに思い浮かぶのが晩年の2つの即興曲(作品90、作品142)です。今回は作品90のほうにスポットを当ててみました。 彼はピアノソナタを21曲も作っているのですが、音楽を構築するソナタより、自由な発想・形式で作る小品や変奏曲に抜群の相性を発揮したようですね。 美しい表情、優しさに溢れた旋律、ピアニスティックな魅力、そして時折見せる […]

  • 2023年12月22日

苦悩・絶望を超えて希望の未来へ到達する道程・ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

年末の定番・「第9」   2023年個人的には、一年をとおして病気がちだった年でした。 3月にインフルエンザにかかって回復はしたものの、3か月は重い倦怠感から抜け出せなかったり、GWにはコロナにかかって身も心もボロボロになったり、5月の半ばには尿路感染症になって衰弱状態になるなど、特に上半期はつらい日々が続きました。 そういう意味では今年の自分の1年を振り返って一言でいえば「耐」そのもの […]

  • 2023年12月17日

クリスマス・永遠の愛を綴るオラトリオ・ヘンデル「メサイア」

無限の愛と癒やし Embed from Getty Images BGMとしても有名で、クリスマスシーズンになると、天にも届けとばかりに高らかに歌いあげられるヘンデルの「ハレルヤコーラス」。 これを耳にするとなぜか胸が高鳴るし、思わず聴き入ってしまいますよね……。 その有名な「ハレルヤコーラス」が含まれるヘンデルのオラトリオ「メサイア」。「メサイア」は彼のすべての作品で、最も有名かつ魅力的な作品と […]

  • 2023年11月22日

心に寄り添う調べが胸をうつ!ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

熟成された名曲中の名曲 Embed from Getty Images ヴァイオリン協奏曲はソリストとオーケストラのコラボレーションが楽しい協奏曲のジャンルです。 見せる要素もたくさんあり、観客動員もある程度見込めるため、いわばコンサートの花形といえるかもしれません。 実際、世にはたくさんのヴァイオリン協奏曲がありますね。 モーツァルト、パガニーニ、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、 […]

  • 2023年9月10日

涼やかな風と光を感じる名曲!モーツァルト・フルートとハープのための協奏曲

パリ滞在時に依頼を受けた名曲   この曲はモーツァルトがパリ滞在中の1778年に作曲されました。今や誰もが知るフルートとハープのバイブルのような名作ですね。 きっかけはフルート奏者でもあったギーヌ公爵アドリアン=ルイ・ド・ボニエールの依頼によるものでした。 モーツァルトから作曲のレッスンを受けていた彼の長女(才能はなかったらしい)でハープ奏者のマリー=ルイーズ=フィリピーヌと公の場で協演 […]

  • 2023年8月8日

縦横無尽な感性の泉・モーツァルトのすべてがここにある!ピアノ協奏曲第22番

極限までピアノの魅力を引き出す 世のあらゆる楽器でピアノほど聴きやすく、どのような音楽作品で使われようとも違和感がない楽器はないでしょう。 ピアノには人間の心の琴線に通じる音色と響きがあるのでしょうか……。どの曲を聴いても不思議と気持ちに馴染んで心地いいですよね。 そのピアノという楽器の魅力や面白さを極限まで引き出した作曲家といえば、おそらくモーツァルトをおいて他にいないでしょう! 特にピアノソナ […]

  • 2023年4月11日

哀愁とロマンが絡み合う極上の名曲、メンデルスゾーン・交響曲第3番スコットランド

インスピレーションに裏打ちされた名曲   ロマン派の大作曲家、メンデルスゾーンは自然から受けるインスピレーションを大切にする作曲家でした。 インスピレーションを大切にするだけではありません……。それが彼の音楽に備わっている詩的な情感と無理なく融合して、作品として至高の境地に達していることにも驚かされます。 それは第1楽章冒頭の幽玄でロマンに満ちた序奏に明らかです。 木管楽器の夢みるような […]

  • 2023年3月6日

春の到来に胸躍らせる喜びの交響曲! シューマン・交響曲第1番「春」

人生の「春」を謳歌   昔から幸福の絶頂期に書かれた作品は、不朽の名作が誕生しやすいとよく言われています。 喜びや未来ヘの希望がエネルギーとなって創作力を奮い立たせるからなのでしょうか……。 それが事実だとすればロベルト・シューマンの交響曲第1番「春」も充分それに当てはまりますね。 しかもわずか4日ほどで「燃えるような想い」を抱くこの交響曲は書きあげられたのです! 特に「春」が作曲された […]