- 2022年8月20日
エレガントな曲調に漂う無邪気な微笑み!モーツァルト・ピアノソナタK333
時代を超えるモーツァルト 18世紀のフランス・ルイ王朝時代というと、真っ先に思い出されるのが絢爛豪華な装飾美です。そのような宮廷や貴族文化を彩ったのがロココ芸術でした。 絵画ではフラゴナール、プーシェ、ヴァトー、ラ・トゥール、音楽ではクープラン、ラモー、スカルラッティなどの大芸術家たちが珠玉の美を競い合っていたのです。 そのようなロココ芸術全盛期の中でも、モーツァルトの才能は特別だっ […]
時代を超えるモーツァルト 18世紀のフランス・ルイ王朝時代というと、真っ先に思い出されるのが絢爛豪華な装飾美です。そのような宮廷や貴族文化を彩ったのがロココ芸術でした。 絵画ではフラゴナール、プーシェ、ヴァトー、ラ・トゥール、音楽ではクープラン、ラモー、スカルラッティなどの大芸術家たちが珠玉の美を競い合っていたのです。 そのようなロココ芸術全盛期の中でも、モーツァルトの才能は特別だっ […]
隠れた名作 メンデルスゾーンは早くから、天才的な音楽性とロマンチックな情緒で魅力あふれる作品を世に送り続けた作曲家でした。 ところで皆さんはメンデルスゾーンといえば、どんな作品を思い出すでしょうか? 甘美なメロディの『ヴァイオリン協奏曲』、明るく躍動的なリズムが印象的な『交響曲第4番イタリア』、哀愁に満ちた『交響曲第3番スコットランド』、夢の世界へ誘う管弦楽曲『真夏の夜の夢』をあげる方はきっと多い […]
刻々と表情を変える転調の素晴らしさ かつて「未完成交響曲」はベートーヴェンの第5「運命」とカップリングという形でLPがよく発売されていたものでした。 1960年、70年代当時「運命」と「未完成」はクラシック音楽を二分する不滅のスタンダードナンバーだったのです。 神秘のヴェールに覆われたイメージが強い「未完成交響曲」ですが、オリジナル楽器全盛時代の現在、そのイメージや扱われかたも随分と変わってきまし […]
ヴィンシャーマン盤の思い出 バッハのオーボエダモーレ協奏曲イ長調BWV1055。 こんなに楽しく親しみやすい作品がバッハの音楽にあったのか…と驚くばかりなのですが、この作品と出会うきっかけになったのがヘルムート・ヴィンシャーマンがオーボエを担当し指揮したアルバムでした! すでに録音から半世紀以上の歳月が過ぎているのですが、今なお新鮮で温もりある響きに胸が熱くなります。 ヴィンシャーマ […]
母の死・埋め尽くせない喪失感…。 モーツァルトはピアノをとても愛していました。作曲や演奏の場ばかりでなく、いつもピアノに素直な感情をぶつけていたのです。 この作品はモーツァルトのピアノソナタの中でも特別な位置にある作品といっていいでしょう。 それは人を喜ばせたり楽しませるというよりも、自分の心に忠実に心の張り裂けるような想いを素直に音楽に託しているのです…。 イ短調ソナタは、モーツァルトが短調で書 […]
愛らしく無垢なピアノソナタ この作品はピアノの練習曲として大変有名ですが、愛らしく美しいメロディが宝石のように散りばめられた紛れもない傑作です。 ピアノを学習する人たちが、音楽の魅力を存分に味わいながらレッスンに励めるような配慮がなされていて、改めてモーツァルトの見識の高さを感じますね! さて、K.545は初心者のレッスン用と銘打たれています。 しかし、それはあくまでもテクニックの観点からとらえた […]
スコットランドの自然保護区としても有名な無人島のヘブリディーズ諸島。 この一角に多くの芸術家が霊感を受けたといわれるフィンガルの洞窟があります。 見事なまでに柱状に浸食された玄武岩の荘厳な出で立ちや洞窟内にこだまする不気味な響き…。 それらは多くのアーティストたちに強烈なインパクトを与え、今なお多くの人々に強いメッセージを送り続けています。 ロマン派の作曲家メンデルスゾーンもこの「フィンガルの洞窟 […]
ベートーヴェンの交響曲の代表作は何かと問われたら、ついつい彼自身の人生を凝縮したような第3番「英雄」、第5「運命」、第9「合唱」といった劇的な作品ばかりを勧めてしまう自分がいることに気づきます…。 しかし忘れてはならない作品があります。 彼の創作の原点になった自然の恵みを想いを込めて書いた田園交響曲ですね! 終生かけがえのない存在だった自然との共存を描く傑作中の傑作! 今回はこの交響曲の魅力につい […]
以前、この曲は私にとって「苦手な曲」でした。なぜかといえば、ベートーヴェンの影が強くつきまとっているように思えたからなのです。 苦悩から歓喜に至る曲の構成もさることながら、第4楽章の主題はまさにベートーヴェンの第9の歓喜のテーマに瓜二つで、これでは「模倣だ」、「真似をした」といわれても仕方がないとさえ思ったものでした。 しかし、しばらくして聴き直すとベートーヴェンとはまったく違うブラームスならでは […]
ワクワクするオラトリオ この作品を聴くと心がワクワクして、何だかうれしい気分になります。 オラトリオとしては異例の親しみやすさだし、全編に愛すべきメロディが散りばめられています。とにかく普通のオラトリオとはちょっと違うんですよね。 「四季」といえば、「天地創造」と並ぶハイドン晩年の傑作オラトリオです。堅苦しさが微塵もありません。美しい旋律と作曲技法の冴えが縦横無尽に展 […]