- 2020年4月9日
センス抜群の描写と感性が心に響く! マルケ「バルコニーからの眺め」
豊かな感性・卓越した造形センス マルケは同じテーマの絵を何度も何度も繰り返し描いた人です。 それもまるで日記のように、ある時はパリの街並み、アルジェリアの港、ナポリ湾と……、その時の心境を素直に風景に重ね合わせるように描いているのです。 ちょっとだけ見ると、ラフなタッチで稚拙な雰囲気の絵のように見えますが、実はとっても魅力たっぷりの絵なんです。 彼の絵には衝撃を与えようとか革新的な技 […]
豊かな感性・卓越した造形センス マルケは同じテーマの絵を何度も何度も繰り返し描いた人です。 それもまるで日記のように、ある時はパリの街並み、アルジェリアの港、ナポリ湾と……、その時の心境を素直に風景に重ね合わせるように描いているのです。 ちょっとだけ見ると、ラフなタッチで稚拙な雰囲気の絵のように見えますが、実はとっても魅力たっぷりの絵なんです。 彼の絵には衝撃を与えようとか革新的な技 […]
画風の変化は画家の自然な感情 画家が制作を続けていくときに避けて通れない宿命的なことがあります。 それは自分の心に忠実にモチーフを見れば見るほど、新たなスタイル(画風)へ転換する意識がどんどん湧き上がってくることです。 画家の作風が既に一般に広く定着し、受け入れられている場合には、その欲求を打ち消すのは容易ではありません。しかし、画家としてさらに成長し進化するためにはその可能性を否定 […]
夢の出来事を切りとったような詩的な風景 絵には人柄が表れるといいますが、それは本当ですね……。 ミレーと並ぶフランス・バルビゾン派の画家として有名なコローですが、彼は才能ある貧しい画家たちへの経済的な援助や協力を惜しまなかったといいます。 そのような人柄は彼の絵にもしっかり反映されています。 コローの描く風景画はただの風景画ではありません。風景画というよりはそこに愛情や想いを投影させ […]
いつまでも眺めていたい絵 一言で言えば、「癒やされる絵」ですね。 ミレーの「春(ダフニスとクロエ)」は東京・上野の国立西洋美術館の常設展示コーナー(松方コレクション)にある油彩画です。 私が初めて西洋美術館を訪れた時から夢中になり、絵の楽しさを知るきっかけになった懐かしい絵です。 古典的な様式に沿って描かれた絵で、ミレーの絵としてはサロンに出品する絵に比べ […]
ルーブル屈指の巨大な絵 名画の宝庫と言われるパリのルーブル美術館で、ひときわ目を引く絵画があります! それがダビッド作「ナポレオン一世の戴冠式と皇紀ジョゼフィーヌの戴冠」です。この絵は絵として見るだけでなく、様々な観点から凄い絵なのでした! 何が凄いのかというと、ナポレオンの権力を誇示するかのように描かれた仰ぎ見るような壮大なテーマと絵の大きさです! 横が約10メートル […]
歴史画の概念を変える唯一無二の作品 家族の絵を描くことは意外に難しいと言われます。 それはモチーフとなる人たちから様々な意見や要望が出るからなのでしょう……。 「親子」をテーマにした絵は、さらにハードルが高いとも言われます。 「親子の絆、情愛」を描いた作品は過去にもたくさんありました。 でも描写が表面的であったり、構図やテーマの演出が過ぎるとか、納得できる作品がありませんでした。 し […]
静寂に満ちた空間と幽玄な世界 19世紀ドイツ・ロマン派の画家フリードリヒが描く絵は一種独特です。 この人の絵を観るといつも不思議な気分になります。 しかし、しばらくすると絵に深く引き込まれている自分がいることも発見するのです。 代表作「氷の海」のピーンと張り詰めた緊張感と異様なまでの静けさはどうでしょう……。 氷が砕け、その破片がむき出しにな […]
今や定番絵画の代表 いつからなのでしょうか? この絵のヴィーナスが、まるで永遠のヴィーナス像のステータスシンボルのように扱われはじめたのは……。 ラファエロのヴィーナスより親しみやすく、アングルのヴィーナスより清楚で健康的、ティントレットのヴィーナスより夢を与えてくれる……。 こんなヴィーナスは他にありません。 ジッと見ていても、その優しげで可愛らしい表情に魅せられてしまいますね……。 ここには私 […]
教科書に載っていた凄い絵 ブリューゲルが描いた「雪中の狩人」を初めて知ったのは中学の美術の教科書でした。 この絵が放つ独特のオーラや存在感は他に掲載されていた名画も霞んでしまうほどでした。それ以降、彼の存在は気になって仕方なく、一度見ると底なしの魅力にグイグイ引きこまれてしまうのです。 ブリューゲルは16世紀のベルギーの画家で、2017年に日本でも公開された「バベルの塔」などで有名な […]
前回は美術館で絵を見るときの準備や心構えをお伝えしましたが、今回は美術館を見てまわるときのいくつかのポイントについて、思いつくままに書いていきたいと思います。 同じ絵画鑑賞でも見る目的が変わると、得られる効果も変わってきますので、せっかくの鑑賞なら有効な時間にしたいですよね……。 展覧会の構成を把握する まず最初におさえておきたいのが、見たい展覧会の出品傾向や構成をよく把握しておくことです。 あた […]