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名画の世界

  • 2020年1月27日

微笑ましく心なごむ青春の詩 ミレー「春(ダフニスとクロエ)」

  いつまでも眺めていたい絵   一言で言えば、「癒やされる絵」ですね。   ミレーの「春(ダフニスとクロエ)」は東京・上野の国立西洋美術館の常設展示コーナー(松方コレクション)にある油彩画です。 私が初めて西洋美術館を訪れた時から夢中になり、絵の楽しさを知るきっかけになった懐かしい絵です。 古典的な様式に沿って描かれた絵で、ミレーの絵としてはサロンに出品する絵に比べ […]

  • 2020年1月15日

ナポレオンに翻弄された画家の歴史的大作!ダビッド「ナポレオンの戴冠式」

    ルーブル屈指の巨大な絵 名画の宝庫と言われるパリのルーブル美術館で、ひときわ目を引く絵画があります! それがダビッド作「ナポレオン一世の戴冠式と皇紀ジョゼフィーヌの戴冠」です。この絵は絵として見るだけでなく、様々な観点から凄い絵なのでした! 何が凄いのかというと、ナポレオンの権力を誇示するかのように描かれた仰ぎ見るような壮大なテーマと絵の大きさです! 横が約10メートル […]

  • 2019年9月20日

親子の絆と再会の喜びを描く レンブラント「放蕩息子の帰還」

歴史画の概念を変える唯一無二の作品 家族の絵を描くことは意外に難しいと言われます。 それはモチーフとなる人たちから様々な意見や要望が出るからなのでしょう……。 「親子」をテーマにした絵は、さらにハードルが高いとも言われます。 「親子の絆、情愛」を描いた作品は過去にもたくさんありました。 でも描写が表面的であったり、構図やテーマの演出が過ぎるとか、納得できる作品がありませんでした。   し […]

  • 2019年9月12日

拭いきれない苦悩を背負い描く、渾身の一枚 フリードリヒ「氷の海」

    静寂に満ちた空間と幽玄な世界   19世紀ドイツ・ロマン派の画家フリードリヒが描く絵は一種独特です。 この人の絵を観るといつも不思議な気分になります。 しかし、しばらくすると絵に深く引き込まれている自分がいることも発見するのです。   代表作「氷の海」のピーンと張り詰めた緊張感と異様なまでの静けさはどうでしょう……。 氷が砕け、その破片がむき出しにな […]

  • 2019年9月7日

まれに見る美しきヴィーナスの肖像 ボッティチェッリ『ヴィーナスの誕生』

今や定番絵画の代表 いつからなのでしょうか? この絵のヴィーナスが、まるで永遠のヴィーナス像のステータスシンボルのように扱われはじめたのは……。 ラファエロのヴィーナスより親しみやすく、アングルのヴィーナスより清楚で健康的、ティントレットのヴィーナスより夢を与えてくれる……。 こんなヴィーナスは他にありません。 ジッと見ていても、その優しげで可愛らしい表情に魅せられてしまいますね……。 ここには私 […]

  • 2019年8月20日

人生の喜怒哀楽を壮大なスケールで凝縮させた風景画  ブリューゲル「雪中の狩人」 

  教科書に載っていた凄い絵 ブリューゲルが描いた「雪中の狩人」を初めて知ったのは中学の美術の教科書でした。 この絵が放つ独特のオーラや存在感は他に掲載されていた名画も霞んでしまうほどでした。それ以降、彼の存在は気になって仕方なく、一度見ると底なしの魅力にグイグイ引きこまれてしまうのです。 ブリューゲルは16世紀のベルギーの画家で、2017年に日本でも公開された「バベルの塔」などで有名な […]

  • 2019年8月14日

美術館・究極の楽しみかた② 鑑賞編

前回は美術館で絵を見るときの準備や心構えをお伝えしましたが、今回は美術館を見てまわるときのいくつかのポイントについて、思いつくままに書いていきたいと思います。 同じ絵画鑑賞でも見る目的が変わると、得られる効果も変わってきますので、せっかくの鑑賞なら有効な時間にしたいですよね……。 展覧会の構成を把握する まず最初におさえておきたいのが、見たい展覧会の出品傾向や構成をよく把握しておくことです。 あた […]

  • 2019年8月1日

故郷への限りない愛情を驚くべき感性で描きあげる ジョン・コンスタブル 「乾草車」(1821年)

  夏の日の情景を心を込めて描く コンスタブルが画家として大きな転機を迎えるきっかけとなったのが、ロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている「乾草車」(1821年)です。 この絵はコンスタブルの代表作としても名高く、自然のめくるめく変化や感動が大いなる共感とともに描かれているのです! 絵の題材となった故郷サフォークへ寄せる愛情、想いは半端ではありません…。 夏の日特有のムンムンした […]

  • 2019年7月23日

穏やかで美しい自然の情景 コンスタブル「フラットフォードの製粉場」(1816-17)

  オリジナリティが出にくい風景画 自然をテーマに描く画家はたくさんいます。 でも風景画はジャンルとしては比較的とっつきやすい反面、独自性やオリジナリティが出しにくいカテゴリーでもあります。 つまり、同じ風景を描けば、同じテイストの絵になる可能性が充分あるということですね。 それを避けるためには、セザンヌやブラマンク、ユトリロのように独自的な画法を編み出したり、こだわりを持つしかありませ […]

  • 2019年7月1日

存在の本質にどこまでも迫る!  セザンヌ「リンゴとオレンジのある静物」(1895-1900)

  上手い絵と感動する絵は別物 絵を描くとき、モチーフ(描く対象物)の形や質感、陰影などに注意をはらって描き進めることは絵の基本で、美大受験時の王道といわれます。 いわゆる絵を描くときの基礎練習がデッサンから始まるといってもいいでしょう。 デッサンは思い込みではなく、正確に物を見る眼を養うことに重点を置いています。 つまり絵が上達するためにはしっかりデッサンを積み重ねて腕を磨く以外に方法 […]