• 2024年9月4日

心にしみる甘いメロディと可憐な響き・レハール「金と銀」

愛らしいメロディに心が満たされる! レハールが作曲した「金と銀」。皆さんはこのワルツ、どこかで聴いたことないでしょうか?  かつては小学校の音楽の教科書に鑑賞曲として紹介されていた時代が確かにありました。多くの人たちにとって親しみやすく、事実愛された曲だったのです。 この曲を聴くと、今でも古き良き時代の懐かしい情緒が甦ってくるようですね。屈託のない愛らしいメロディが最高で、次々と展開される美しいワ […]

  • 2024年6月29日

抜群の演奏効果を誇る!チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番

ピアノ協奏曲といえばこれ Embed from Getty Images ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー (1840-1893) ハリコフにて 1893 年、ハリコフにて。モスクワ国立 P. チャイコフスキー記念博物館所蔵。(写真提供: Fine Art Images/Heritage Images/Getty Images)   今さら言うまでもないことなのかもしれませんが、ク […]

  • 2024年5月20日

苦境の中で誕生した壮大な音楽抒情詩。シューマン・交響曲第3番

あふれる推進力とロマンチシズム これは個人的に大好きな曲ですね! 何がいいのかというと、第1楽章最初のテーマから迷わずグイグイ突き進む推進力が最高なのです。しかもまわりくどい序奏がないのも潔くて気持いいですね! 全編に希望と夢が漲っているし、ロマンチシズムの花々が随所に咲き乱れているところもロマン派の大家シューマンらしい……。晩年のシューマンが濃厚なロマンの香りを紡ぎながら、古典的なスタイルに練り […]

  • 2024年5月1日

孤独な魂に潜む無邪気な微笑み・シューベルト・ピアノソナタ第20番

シューベルトのピアノソナタ もし、「シューベルトのピアノ曲から好きな作品を選んでほしい」と言われたら、皆さんは何を選びますか?  私だったら作品90と作品142の『2つの即興曲』ですね。 『即興曲』は変奏曲スタイルに傑出した才能を発揮したシューベルトのリリシズムが最高度に発揮されているのです。 しかも、それぞれが夢の小箱を開けるようなピュアな魅力もあるし、叙情的なメロディが溢れているのもたまりませ […]

  • 2024年3月29日

極上の時を約束する究極の音楽と舞台・レハール『メリー・ウィドウ』

  あらすじ 舞台は20世紀初めのパリ。ハンナはボンテヴェドロ国の富豪グラヴァリと結婚するが、数日後に彼は急死する。外交官ツェータ男爵は、グラヴァリから莫大な財産を引き継いだハンナがパリの男性と再婚すれば国が破産してしまうと危機感を持つ。ツェータ男爵は書記官の伯爵ダニロを呼び出し、ハンナに求婚するよう命じる。 実はダニロとハンナはかつての恋人同士で、身分の違いのために結ばれなかったのだっ […]

  • 2024年2月24日

叙情的な美しさ・感性が光るピアノ曲・シューベルト即興曲作品90

  説明不要のピアノの傑作 シューベルトのピアノ作品としてすぐに思い浮かぶのが晩年の2つの即興曲(作品90、作品142)です。今回は作品90のほうにスポットを当ててみました。 彼はピアノソナタを21曲も作っているのですが、音楽を構築するソナタより、自由な発想・形式で作る小品や変奏曲に抜群の相性を発揮したようですね。 美しい表情、優しさに溢れた旋律、ピアニスティックな魅力、そして時折見せる […]

  • 2024年1月26日

明るい陽射しが心地よい! モネ「サンタドレスの庭園」

画家の感性が光る クロード・モネは絵に光や空気、風の流れなどの目に見えない自然の要素を巧みに取り入れて肌感覚、臨場感をものの見事に表現した人でした。 モネの絵を見ると描かれた時がどのような天候だったのか、どのような状況だったのかが手にとるように分かりますね。 その傾向はモネが1872年に「印象・日の出」で印象派の旗揚げをした頃からより顕著になったのでした。 「サンタドレスの庭園」はモネが印象派とし […]

  • 2023年12月22日

苦悩・絶望を超えて希望の未来へ到達する道程・ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

年末の定番・「第9」   2023年個人的には、一年をとおして病気がちだった年でした。 3月にインフルエンザにかかって回復はしたものの、3か月は重い倦怠感から抜け出せなかったり、GWにはコロナにかかって身も心もボロボロになったり、5月の半ばには尿路感染症になって衰弱状態になるなど、特に上半期はつらい日々が続きました。 そういう意味では今年の自分の1年を振り返って一言でいえば「耐」そのもの […]

  • 2023年12月17日

クリスマス・永遠の愛を綴るオラトリオ・ヘンデル「メサイア」

無限の愛と癒やし Embed from Getty Images BGMとしても有名で、クリスマスシーズンになると、天にも届けとばかりに高らかに歌いあげられるヘンデルの「ハレルヤコーラス」。 これを耳にするとなぜか胸が高鳴るし、思わず聴き入ってしまいますよね……。 その有名な「ハレルヤコーラス」が含まれるヘンデルのオラトリオ「メサイア」。「メサイア」は彼のすべての作品で、最も有名かつ魅力的な作品と […]

  • 2023年11月22日

心に寄り添う調べが胸をうつ!ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

熟成された名曲中の名曲 Embed from Getty Images ヴァイオリン協奏曲はソリストとオーケストラのコラボレーションが楽しい協奏曲のジャンルです。 見せる要素もたくさんあり、観客動員もある程度見込めるため、いわばコンサートの花形といえるかもしれません。 実際、世にはたくさんのヴァイオリン協奏曲がありますね。 モーツァルト、パガニーニ、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、 […]