• 2021年11月28日

文豪たちの息づかいが聞こえる。閑静な住宅街に佇む魅力の館・鎌倉文学館

鎌倉文学館は鎌倉ゆかりの作家、文学者の資料を集めた閑静な住宅街にひっそりと佇む資料館です。 1985年の開館から約35年、地域住民だけでなく、全国から訪れる文学ファン、観光客の心を捉え続けてきました。 初代館長の永井龍男(小説家、文化勲章受章者・1904-1990)は開館のあいさつで、「肩ひじをはらずに来て見ていただいて、文学というものがご自分の生活で身近になれば、これこそが文学の味わいの原点だと […]

  • 2021年11月6日

容赦ない批判の対象になった古典的名画・アングル「グランド・オダリスク」

散々なほど貶された絵画   今やドミニク・アングルの代表作として名高い「グランド・オダリスク」ですが、1814年に公開されてしばらくの間は決して世評は高いとは言えませんでした。 むしろ格好の攻撃対象としてサロンでは散々な非難を浴びたのです。 その非難のほとんどが「解剖学的にこれはおかしい」とか、「実際にありえない人間の身体だ」という内容だったのです。 特にひどかったのが、1819年のサロ […]

  • 2021年10月20日

甘く切ないメロディが映し出す美しい記憶!ラフマニノフ・交響曲第2番

甘く切ないメロディ ラフマニノフはクラシックの作曲家の中ではメロディメーカーとして一目置かれる存在です。 活動した時代が19世紀後半から20世紀前半だったため、音楽の様式、スタイルが現代のリスナーにも比較的受け入れやすいということもあるのでしょうね。 20世紀前半といえば、ちょうどジャズやポップス、民族音楽など、さまざまな音楽の要素がクラシック音楽に組み込まれ、多様化が際立ってきた時代です。 そし […]

  • 2021年10月13日

腕が鳴る! 圧倒的な演奏効果が際立つ・ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第3番」

ライブこそ真価が発揮される協奏曲 Embed from Getty Images ジャナンドレア・ノセダ率いるジュリアード管弦楽団とラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番ニ短調」を共演するコルトン・ペルティエ(Photo by Hiroyuki Ito/Getty Images) 皆さんは期待に胸を弾ませて行った演奏会で、イマイチ音楽の良さを感知できずに終わってしまったとか、もどかしい思いをしながら聴 […]

  • 2021年10月7日

老教授の心の歪みと癒やしを丁寧に描写する名作映画・ベルイマン「野いちご」

普段、私たちは目的を成し遂げるために、少々のことには目をつぶり、時間に追われ、雑多な出来事に振り回されたりしながら、日々の生活をまっとうしています。 ともすれば目先の現実に向きあうことが精一杯で、人間的な心のふれあいが置き去りになっていたり、自分自身を見つめることがなかったりするのではないでしょうか? あるいは、潜在的に自分自身のことを振り返ろうとしていないのかもしれません……。 でも誰もが人生の […]

  • 2021年10月1日

宗教の枠組みを超え、声楽の可能性を究めた渾身の作!バッハ:ミサ曲ロ短調

一般的にミサ曲はカトリックの典礼儀式で演奏され、歌われるものという概念があります。 しかし、バッハやベートーヴェンの作品になると、もはや典礼音楽や宗派云々という狭い枠組みは問題なくアッサリと超えてしまいます……。 やはり形や目的は関係なく、いいものはいい、芸術的な作品は傑作として語り継がれることになるのでしょう。 今回はカトリックとプロテスタント的な要素を共存させながらも、200年以上に渡って不朽 […]

  • 2021年9月19日

洗練のファッション、情緒、オードリーの魅力が結集!『ティファニーで朝食を』

映画は脚本やストーリー展開、演出、キャスティング、監督の手腕など、さまざまな要素が重なって感動作になり、名作として語り継がれます。 しかし、中には特化した魅力や忘れがたい記憶やメッセージだけで語り継がれる作品もありますし、社会現象となる作品もありますね……。 1961年公開、ブレーク・エドワーズ監督作品の『ティファニーで朝食を』もそのひとつでしょう。ヒロインのオードリー・ヘプバーンの輝くような眼差 […]

  • 2021年9月10日

形と色の可能性をあらゆる角度から徹底的に追求! マティス「赤のハーモニー」

あらゆる要素に意味がある Embed from Getty Images 1947年頃、フランスのヴァンスにある自宅のベッドで 紙の切り抜きをするアンリ・マティス(1869-1954) (写真提供:Archive Photos / Getty Images)   これはアンリ・マティスの比較的初期の作品ですが、彼の絵画の方向性を決定づけた非常に重要な作品です。 マティスの構図の素晴らしさ […]

  • 2021年8月29日

ミュージカルの舞台が目に浮かぶ 稀に見る傑作アルバム「王様と私」

古典的傑作を最強キャストで収録 The King And I (1992 Hollywood Studio Cast) 『王様と私』は1951年に公開されたブロードウェイミュージカルですが、5年後に公開された映画は、ブロードウェイと同じ王様役を演じたユル・ブリンナーの独特の個性と存在感で、このミュージカルが持つ魅力と知名度を一躍世界に知らしめたのでした。 現在でもブロードウェイではたびたび上演され […]

  • 2021年8月13日

オペラの演出のように美しくワクワクするミサ曲 プッチーニ「グロリアミサ」

ドラマチックで美しいミサ曲 プッチーニは20世紀を代表するイタリアオペラの大作曲家ですが、オペラに比べると宗教曲や声楽曲はあまり知られていません。 しかし、このグロリア・ミサは一言ではとても言い尽くせない魅力に溢れた素晴らしい作品です。  何が素晴らしいのかというと、ミサの形式で書かれた作品なのですが、カトリック的な情感を基調にしたものではなく、もちろん厳粛なグレゴリオ聖歌風でもない、あくまでも歌 […]