• 2024年5月20日

苦境の中で誕生した壮大な音楽抒情詩。シューマン・交響曲第3番

あふれる推進力とロマンチシズム これは個人的に大好きな曲ですね! 何がいいのかというと、第1楽章最初のテーマから迷わずグイグイ突き進む推進力が最高なのです。しかもまわりくどい序奏がないのも潔くて気持いいですね! 全編に希望と夢が漲っているし、ロマンチシズムの花々が随所に咲き乱れているところもロマン派の大家シューマンらしい……。晩年のシューマンが濃厚なロマンの香りを紡ぎながら、古典的なスタイルに練り […]

  • 2024年5月1日

孤独な魂に潜む無邪気な微笑み・シューベルト・ピアノソナタ第20番

シューベルトのピアノソナタ もし、「シューベルトのピアノ曲から好きな作品を選んでほしい」と言われたら、皆さんは何を選びますか?  私だったら作品90と作品142の『2つの即興曲』ですね。 『即興曲』は変奏曲スタイルに傑出した才能を発揮したシューベルトのリリシズムが最高度に発揮されているのです。 しかも、それぞれが夢の小箱を開けるようなピュアな魅力もあるし、叙情的なメロディが溢れているのもたまりませ […]

  • 2024年3月29日

極上の時を約束する究極の音楽と舞台・レハール『メリー・ウィドウ』

  あらすじ 舞台は20世紀初めのパリ。ハンナはボンテヴェドロ国の富豪グラヴァリと結婚するが、数日後に彼は急死する。外交官ツェータ男爵は、グラヴァリから莫大な財産を引き継いだハンナがパリの男性と再婚すれば国が破産してしまうと危機感を持つ。ツェータ男爵は書記官の伯爵ダニロを呼び出し、ハンナに求婚するよう命じる。 実はダニロとハンナはかつての恋人同士で、身分の違いのために結ばれなかったのだっ […]

  • 2024年2月24日

叙情的な美しさ・感性が光るピアノ曲・シューベルト即興曲作品90

  説明不要のピアノの傑作 シューベルトのピアノ作品としてすぐに思い浮かぶのが晩年の2つの即興曲(作品90、作品142)です。今回は作品90のほうにスポットを当ててみました。 彼はピアノソナタを21曲も作っているのですが、音楽を構築するソナタより、自由な発想・形式で作る小品や変奏曲に抜群の相性を発揮したようですね。 美しい表情、優しさに溢れた旋律、ピアニスティックな魅力、そして時折見せる […]

  • 2024年1月26日

明るい陽射しが心地よい! モネ「サンタドレスの庭園」

画家の感性が光る クロード・モネは絵に光や空気、風の流れなどの目に見えない自然の要素を巧みに取り入れて肌感覚、臨場感をものの見事に表現した人でした。 モネの絵を見ると描かれた時がどのような天候だったのか、どのような状況だったのかが手にとるように分かりますね。 その傾向はモネが1872年に「印象・日の出」で印象派の旗揚げをした頃からより顕著になったのでした。 「サンタドレスの庭園」はモネが印象派とし […]

  • 2023年12月22日

苦悩・絶望を超えて希望の未来へ到達する道程・ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

年末の定番・「第9」   2023年個人的には、一年をとおして病気がちだった年でした。 3月にインフルエンザにかかって回復はしたものの、3か月は重い倦怠感から抜け出せなかったり、GWにはコロナにかかって身も心もボロボロになったり、5月の半ばには尿路感染症になって衰弱状態になるなど、特に上半期はつらい日々が続きました。 そういう意味では今年の自分の1年を振り返って一言でいえば「耐」そのもの […]

  • 2023年12月17日

クリスマス・永遠の愛を綴るオラトリオ・ヘンデル「メサイア」

無限の愛と癒やし Embed from Getty Images BGMとしても有名で、クリスマスシーズンになると、天にも届けとばかりに高らかに歌いあげられるヘンデルの「ハレルヤコーラス」。 これを耳にするとなぜか胸が高鳴るし、思わず聴き入ってしまいますよね……。 その有名な「ハレルヤコーラス」が含まれるヘンデルのオラトリオ「メサイア」。「メサイア」は彼のすべての作品で、最も有名かつ魅力的な作品と […]

  • 2023年11月22日

心に寄り添う調べが胸をうつ!ベートーヴェン・ヴァイオリン協奏曲

熟成された名曲中の名曲 Embed from Getty Images ヴァイオリン協奏曲はソリストとオーケストラのコラボレーションが楽しい協奏曲のジャンルです。 見せる要素もたくさんあり、観客動員もある程度見込めるため、いわばコンサートの花形といえるかもしれません。 実際、世にはたくさんのヴァイオリン協奏曲がありますね。 モーツァルト、パガニーニ、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、 […]

  • 2023年11月13日

運命のいたずら・哀愁に満ちた美しい映像が胸に迫る。映画「シェルブールの雨傘」

1964年に公開されたジャック・ドゥミ監督の 『シェルブールの雨傘』。2023年の11月から12月にかけて約10年ぶりに日本で舞台上演が行われるそうですね。ちょっと楽しみです。 https://cherbourg-2023.jp/ この機会にオリジナルの映画の紹介をしていきましょう。 全編のセリフを音楽で表現 Embed from Getty Images 1964年5月、カンヌ国際映画祭で『シェ […]

  • 2023年10月19日

声が醸し出す無限の安らぎと魅惑〜To the Field of Stars 

声の魅力は無限! 人間の声は不思議です。 同じ言葉を発したとしても、どのような想いで発するかによって伝わりかたがまるで違ってきます。 それは「ありがとう」と一言伝えるときでも、心からの想いがこもった「ありがとう」と、そうでない「ありがとう」では天地の差が出てしまいます。   それでは、人を威嚇する気持ちで声を張り上げたならばどうなるでしょうか? おそらく誰もが耳を塞ぐような騒音になること […]