• 2023年8月8日

縦横無尽な感性の泉・モーツァルトのすべてがここにある!ピアノ協奏曲第22番

極限までピアノの魅力を引き出す 世のあらゆる楽器でピアノほど聴きやすく、どのような音楽作品で使われようとも違和感がない楽器はないでしょう。 ピアノには人間の心の琴線に通じる音色と響きがあるのでしょうか……。どの曲を聴いても不思議と気持ちに馴染んで心地いいですよね。 そのピアノという楽器の魅力や面白さを極限まで引き出した作曲家といえば、おそらくモーツァルトをおいて他にいないでしょう! 特にピアノソナ […]

  • 2023年7月19日

神秘的な表情、ひきこまれる微笑み・ダ・ヴィンチ「ほつれ髪の女」

神秘的な笑みの肖像画 この絵はいくぶんうつむき加減の女性を描いて印象的です。 ほぼデッサン画の集大成のような作品と言っても過言ではないでしょう! 物思いにふけっているのでしょうか……。それとも満ち足りた幸福を味わっているのでしょうか…。 まるで内面の世界を醸し出すような魅惑的な美しさ、神秘的な表情が何とも言えません。 それはちょうど『モナ・リザ』で神秘的な笑みを実現した熟達した表現そのままなのです […]

  • 2023年6月15日

横顔の美しさに魅せられる・フラゴナール「読書する娘」

横顔の魅力が生きている 「あなたにとって魅力的だと思う肖像画は何?」と尋ねたら、意外と「読書する娘」をあげる人は多いかもしれませんね。 日常の一コマを切り取ったような女性の柔らかな姿態や本に見入る穏やかな表情が印象に残ります。とにかく知性と品格のバランスがよくとれた名画ですよね。 フラゴナール(1732ー1806)が活躍した時代は国王ルイ16世の統治下で、ルイ14世から続いた優雅で絢爛豪華なロココ […]

  • 2023年5月9日

未来を信じ、愛と正義のメッセージを送る唯一無二の音楽家、ジョン・ウィリアムズ

ジョン・ウィリアムスは今年(2023年)で91歳を迎えたアメリカの映画音楽作曲家で、今なお世界をリードする巨匠ですね。 現在も「スターウォーズ」をはじめとする自作のスタンダードナンバーを世界各地で指揮するなど精力的に活動しています。しかも凛とした指揮姿、バイタリティはいささかも衰えを見せていません。 今回はそのエネルギッシュなウィリアムズの創作力と映画界に与えた影響について迫ってみたいと思います。 […]

  • 2023年4月11日

哀愁とロマンが絡み合う極上の名曲、メンデルスゾーン・交響曲第3番スコットランド

インスピレーションに裏打ちされた名曲   ロマン派の大作曲家、メンデルスゾーンは自然から受けるインスピレーションを大切にする作曲家でした。 インスピレーションを大切にするだけではありません……。それが彼の音楽に備わっている詩的な情感と無理なく融合して、作品として至高の境地に達していることにも驚かされます。 それは第1楽章冒頭の幽玄でロマンに満ちた序奏に明らかです。 木管楽器の夢みるような […]

  • 2023年3月31日

ミシェル・ルグラン-20世紀のスクリーンを彩った輝かしい記録を辿る!

今回は編曲、映画音楽やジャズなどで多彩な活躍が記憶に残るフランスの作曲家ミシェル・ルグランを取りあげてみたいと思います。 彼が2019年に世を去ってから、華やかで夢のひとときのようだった20世紀の記憶はすっかり過去のものになろうとしていますね……。 20世紀・洗練の代表 Embed from Getty Images ミシェル・ルグラン(1932〜2019)   ミシェル・ルグランは言う […]

  • 2023年3月6日

春の到来に胸躍らせる喜びの交響曲! シューマン・交響曲第1番「春」

人生の「春」を謳歌   昔から幸福の絶頂期に書かれた作品は、不朽の名作が誕生しやすいとよく言われています。 喜びや未来ヘの希望がエネルギーとなって創作力を奮い立たせるからなのでしょうか……。 それが事実だとすればロベルト・シューマンの交響曲第1番「春」も充分それに当てはまりますね。 しかもわずか4日ほどで「燃えるような想い」を抱くこの交響曲は書きあげられたのです! 特に「春」が作曲された […]

  • 2023年2月19日

若々しい情熱が爆発するシンフォニックな名曲、ブラームス・ピアノ協奏曲第1番

若々しい情熱が爆発する作品 Embed from Getty Images ユジャ・ワンのピアノとヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団によるブラームスのピアノ協奏曲第1番(2018年2月28日)   ブラームスのピアノ協奏曲第1番は有名なピアノ協奏曲第2番に先駆けること22年も前に作曲されたピアノ協奏曲です。 「血湧き肉躍る」という表現が適切かどうかわか […]

  • 2023年1月29日

夢とロマンが美しく交錯する・シューマン「幻想小曲集」

8つの小曲から成るピアノ曲   幻想小曲集(Fantasiestücke)作品12は、シューマンが1837年に作曲した、8曲からなるピアノ曲集です。 「幻想小曲集」というタイトルのとおり、どの曲も単独の小曲として完成しています。 小曲が集まった作品としては、ちょうどグリーグの「抒情小曲集」と同じように捉えていいかもしれませんね。 ピアノリサイタルなどで女性ピアニストが第2曲「飛翔」、第5 […]

  • 2023年1月12日

演奏する喜び、聴く楽しみがあふれる!モーツァルト・2台のピアノための協奏曲

演奏する喜び・楽しみ!   モーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲K.365」は私が大好きな曲です! 颯爽としていて、音楽にまったく淀みがありません。そのうえ、明るくて生き生きとした情感が気分を高めてくれるのがいいですね。 何より魅力的なのが、終始ピアノを演奏する喜び、楽しみで音楽が埋め尽くされていることでしょうか……。 作曲家の目線で見ると、どうしても交響曲や協奏曲というジャンルの […]