• 2021年1月20日

夢、愛をファンタジーで包むミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」

出色のワクワク感と柔軟な感性!   『ラ・ラ・ランド』は音楽、ダンス、演出、撮影、美術などのさまざまな要素が夢のようなファンタジーとして結集したミュージカル映画です。 この映画は劇中に「ロシュフォールの恋人たち」「シェルブールの雨傘」「バンドワゴン」「世界中がアイラブユー」など往年のミュージカル映画へのオマージュがふんだんに盛り込まれています。しかし出来上がった作品は他にないチャゼル監督 […]

  • 2021年1月14日

見た目の風景画から存在の本質に迫る風景画へ・セザンヌ『サント・ヴィクトワール山』

  19世紀後半、モネ、ルノワール、シスレー、ピサロなどの印象派絵画が脚光を浴び、ヨーロッパ画壇を席巻する中で異色の風景画を描き続けた人がいます。 ポール・セザンヌ(1839-1906)です。彼は誰もが思いつかない、一風変わった独自の絵画スタイルを編み出し、後年はそれをとことん追求し続けたのでした。 彼が激動の19〜20世紀絵画においてはたした役割や業績とは何だったのでしょうか? &nb […]

  • 2021年1月7日

ピアノの詩人の内面の世界を伝える・ドラクロワ「ショパンの肖像」

『フレデリック・ショパンの肖像』という絵を皆さんはご存知でしょうか? 言うまでもなくピアノの詩人で大作曲家のショパンその人を描いた絵です。 「あっ見たことある!」「ショパンのプロフィールでよく見るよね」など、意外に馴染み深い絵かもしれません。しかもこの絵はただの肖像画ではなく、さまざまなエピソードが隠されていたのです…。     ロマン派の巨人同士の出会い 『フレデリック・ショ […]

  • 2020年12月31日

絶望を超えて到達する未来への道標・ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

年末の定番・「第9」   今年も残すところ本日のみになってしまいました。例年の年の瀬とは違い、今年は世界的なコロナウイルスの蔓延により、これまでに例がないような多くの感染者、犠牲者を出すことになってしまいました。 多くの尊い命が失われてしまったことへの無念さや、今なお多くの困難な状況に立ち向かわれていらっしゃる方々を思うととても心が痛みます‥‥。 2021年はこのような感染が収束し、早く […]

  • 2020年12月23日

夜空に輝く星の光のように・バッハ『平均律クラヴィール曲集第1巻』

ピアニストの試金石   バッハの平均律クラヴィーア曲集は、彼のクラヴィーア作品の中で特に重要な作品です。無限のイマジネーションと真摯な宗教性が融合した不朽の傑作といえるでしょう! 19世紀の指揮者兼ピアニストのハンス・フォン・ビューローは「ベートーヴェンのピアノソナタ集がピアノの新約聖書だとしたら、バッハの平均律クラヴィーア曲集は旧約聖書」とたとえて絶賛しました。 また「無人島に1枚だけ […]

  • 2020年12月16日

気品あふれるルーブルの至宝!ラファエロ『美しき女庭師』

ルーブルの至宝「美しき女庭師」   美の殿堂と言えば、なんといってもフランス・パリのルーブル美術館! ここには世界中の有名な絵画や彫刻、美術品など、約38万点が展示されています。 そして名画の多いルーブル美術館の中でも象徴的な作品、いや「目玉の作品」と言えば皆さんは何を思い浮かべますか? 大抵の人が真っ先にあげるのが、レオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」や「ミロのヴィーナス」ではないでし […]

  • 2020年12月13日

未来に眼が向けられた洗練のバロック・オペラ!ラモー「レ・ボレアド」

あらすじ バクトリアの女王アルフィーズは、出生不明のアバリスに恋をしていた。 彼女の国の伝統に従えば、アルフィーズは北風の神ボレの子のであるボリレかカリシスのどちらかと結婚しなければならない。 しかしアルフィーズは王位を退いてアバリスに愛の矢を授け、彼と結婚することを宣言する。このことにボレは猛烈に怒り、アルフィーズを幽閉し、地上を嵐で不毛の地にしてしまう。 アバリスはこのことに絶望し、「神に対し […]

  • 2020年12月6日

旋律、リズム、調和。音楽的体感が伝わる絵!クレー「パルナッソスへ」

音楽的感性が絵に結実   かつて音楽を絵のモチーフにしたり、色彩のハーモニーを音楽になぞらえて描いた画家が少なからずいました。 カンディンスキー、デュフィ、ホイッスラーはいずれも音楽をテーマにした作品を残した画家と言えるでしょう。 ただし、カンディンスキーは音楽的なイメージを抽象的な視覚効果として表現した人ですし、デュフィは音楽の醸し出すイメージを色彩と形で表現し、ホイッスラーは色彩と形 […]

  • 2020年12月1日

「フィガロ」の絆が生んだ傑作交響曲・モーツァルト交響曲第38番「プラハ」

唯一モーツァルトの音楽が歓迎された モーツァルトは1786年に空前の大傑作「フィガロの結婚」を世に送り出しました。 「フィガロ」は当時いろいろと物議を醸し出した(貴族社会を痛烈に批判した)問題作でもありましたが、モーツァルトがありとあらゆるインスピレーションの限りを尽くした意欲作でもありました。 ウイーンでの「フィガロ」の上演は成功には至りませんでしたが、唯一プラハ(当時のボヘミアの首都、現在のチ […]

  • 2020年11月24日

クリスマスを彩る極上のハーモニー・デュリュフレ・4つのモテット

心洗われる清らかな祈りとハーモニー あっという間に11月も後半……。そしていつの間にかクリスマスの声が聞こえる季節となってまいりました。 今年は例年になく一年が早いですね。特別な一年であったことは間違いありませんし、時間の感覚がいつもとちょっと違います……。 今回はいつもと違うクリスマスにふさわしい音楽をご紹介したいと思います。それは20世紀のフランスの作曲家、モーリス・デュリュフレの『グレゴリオ […]