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名画の世界

  • 2021年2月22日

幻覚に悩まされつつ崇高な世界を表現 ゴッホ『星月夜』

迫力満点だった上野の展覧会 2019年に東京・上野の森美術館で開催された『ゴッホ展』は見応え充分の充実した展覧会でした。 中でも『糸杉』の迫力は言葉に表せないほどのもので、厚く塗られた絵の具のタッチや狂おしいほどの情熱、生命を削りながら無我夢中で描いたと思われる余韻と感動は到底写真や印刷物では再現できないだろう……と確信したのです! ゴッホ(1853-1890)の心の息吹が目に見えるような形で伝わ […]

  • 2021年2月13日

みずみずしい感性が心地いい! 穏やかな空気が流れる絵 シスレー『草原』

印象派の典型と言われた画家 今なお日本でも根強い人気があり、19世紀に一世を風靡した印象派がフランスで産声をあげたきっかけは思いがけないものでした。 それは1870年代にフランスの芸術アカデミーとアカデミー主催のサロン展へ抗議する形で噴出したのです。 サロンに出品することは、当時の画家たちにとって成功に至る唯一の登竜門だったのでした。しかしサロンの権威ある審査員たちは、印象派から出品された作品の多 […]

  • 2021年1月14日

見た目の風景画から存在の本質に迫る風景画へ・セザンヌ『サント・ヴィクトワール山』

  19世紀後半、モネ、ルノワール、シスレー、ピサロなどの印象派絵画が脚光を浴び、ヨーロッパ画壇を席巻する中で異色の風景画を描き続けた人がいます。 ポール・セザンヌ(1839-1906)です。彼は誰もが思いつかない、一風変わった独自の絵画スタイルを編み出し、後年はそれをとことん追求し続けたのでした。 彼が激動の19〜20世紀絵画においてはたした役割や業績とは何だったのでしょうか? &nb […]

  • 2021年1月7日

ピアノの詩人の内面の世界を伝える・ドラクロワ「ショパンの肖像」

『フレデリック・ショパンの肖像』という絵を皆さんはご存知でしょうか? 言うまでもなくピアノの詩人で大作曲家のショパンその人を描いた絵です。 「あっ見たことある!」「ショパンのプロフィールでよく見るよね」など、意外に馴染み深い絵かもしれません。しかもこの絵はただの肖像画ではなく、さまざまなエピソードが隠されていたのです…。     ロマン派の巨人同士の出会い 『フレデリック・ショ […]

  • 2020年12月16日

気品あふれるルーブルの至宝!ラファエロ『美しき女庭師』

ルーブルの至宝「美しき女庭師」   美の殿堂と言えば、なんといってもフランス・パリのルーブル美術館! ここには世界中の有名な絵画や彫刻、美術品など、約38万点が展示されています。 そして名画の多いルーブル美術館の中でも象徴的な作品、いや「目玉の作品」と言えば皆さんは何を思い浮かべますか? 大抵の人が真っ先にあげるのが、レオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」や「ミロのヴィーナス」ではないでし […]

  • 2020年12月6日

旋律、リズム、調和。音楽的体感が伝わる絵!クレー「パルナッソスへ」

  音楽的感性が絵に結実   かつて音楽を絵のモチーフにしたり、色彩のハーモニーを音楽になぞらえて描いた画家が少なからずいました。 カンディンスキー、デュフィ、ホイッスラーはいずれも音楽をテーマにした作品を残した画家と言えるでしょう。 ただし、カンディンスキーは音楽的なイメージを抽象的な視覚効果として表現した人ですし、デュフィは音楽の醸し出すイメージを色彩と形で表現し、ホイッス […]

  • 2020年11月11日

生存者の証言から描かれた鬼気迫る名画!ジェリコー『メデューズ号の筏』

  絵画がメッセージの主役の時代 最近は何かと便利な時代になりました……。 今やスマートフォンは日常生活に欠かせない絶対的な必需品になってきました。 端末一台で病院の予約や映画のチケットの購入も完了してしまうし、情報交換にはうってつけです! まさに情報化社会にふさわしいツールといえるでしょう。 こんなことは20年前では考えられなかったことですし、恐るべき技術の進歩といっていいでしょう。こ […]

  • 2020年10月28日

忘我の表情を浮かべる悲劇のヒロイン J・E・ミレー 『オフィーリア』

『ハムレット』のヒロイン   センセーショナルで一度見たら忘れられない絵画ということでしばしば話題になるのが、ジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」です。 彼はイギリス・ラファエル前派の代表的な画家として知られています。 そのミレーの作品の中でとびきりの傑作として有名なのがここに紹介する『オフィーリア』ですね。 おそらくミレーの名は知らなくても、この絵を知っている人は少なくないか […]

  • 2020年9月27日

挫折と偏見を越えて到達した農村での自然体の画境 ミレー「晩鐘」

農業への喜びが垣間見える傑作 ミレーの「晩鐘」は、彼がバルビゾンに腰を据えて農民たちの連作を次々と発表した頃の代表作です。 「晩鐘」はもはや説明する必要のない絵ですね! 「落穂拾い」と並ぶミレーの代表作ですし、人気作としても有名です。 テーマは夕暮れの中で真摯に祈りを捧げる農民たちの姿を描いた、ごくありふれたものなのですが、画面からは何とも言えない懐かしさや郷愁、優しさが伝わってきます。 牧歌的な […]

  • 2020年9月8日

奇抜な造形と強烈なメッセージ!ピカソ絵画の真骨頂! ピカソ『泣く女』

20世紀を象徴する天才画家   ピカソは20世紀最大の天才画家であり奇才でした。 ピカソというと、誰もが「現代絵画の神様」のような例えをするのは何故なのでしょうか? 「描くこと」ばかりでなく、単純化すること、別の角度でモノを見ること、形を組み変えること、分解して組み立てること……。とにかく常識を常識としてはとらえず、「旺盛な好奇心」や、「再創造して手を加えること」でありとあらゆる美の可能 […]