気品あふれるヴァイオリン協奏曲の華 メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」 

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ヴァイオリン協奏曲の華

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は昔からベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ブラームスのヴァイオリン協奏曲と並んで三大ヴァイオリン協奏曲と呼ばれてきました。

中でもメンデルスゾーンの協奏曲は気品があり、ロマンチックで甘美なメロディが充満しているため、女性ヴァイオリニストをはじめとする多くのヴァイオリニストやリスナーから愛されてきたのです。

しかもベートーヴェンやブラームスの協奏曲と違い、初めてクラシック音楽やヴァイオリン協奏曲を聴く人にとっても耳にも心にも優しく、圧倒的に親しみやすいのです!

メロディの宝庫

親しみやすさの最大の要因は、何といっても流麗でロマンチックなメロディの数々でしょう。

全楽章、徹頭徹尾、気品にあふれた甘美なメロディが洪水のように押し寄せます!

そのロマンチックなメロディはいずれも一度聴いたら忘れられないほどで、こんなに陶酔するような美しい音楽は長いクラシック音楽の歴史を見てもあまり例がないかもしれません。

ヴァイオリニストがリサイタルで弾きたがるのも無理はありませんね……。

それほどロマンチックで甘いメロディの宝庫なのに、少しも俗っぽさがないのはなぜなのでしょう。

やはりメンデルスゾーンの気高い人柄や個性が際立った作品というべきなのでしょう。表向きのロマンチズムではないことも大きいですね。

楽想にまったく嫌味がなく、光と影の絶妙なバランスが音楽に多彩な表情を与えているからなのです。

聴きどころ

優雅で格調高く、この上なくデリケートで哀愁に彩られたメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲はドイツ・ロマン派の代表的な名曲です。

演奏家だけでなく、多くの音楽ファンに愛されるのは単に美しいだけでなく、ヴァイオリンの響きや表情、ニュアンスなど、あらゆる面でこの楽器の持つ魅力を全面的に押し出しているからでしょう。

第1楽章 アレグロ・モルト・アパッシオナート 第一主題

前奏なしで演奏されるヴァイオリンの甘美で哀愁に満ちたメロディが耳にも心にも飛び込んできます。それを受けるオーケストラがメロディを反復して音楽に彩りを添えます。

第1楽章 アレグロ・モルト・アパッシオナート 第ニ主題

木管楽器によって優しく寛いだ雰囲気の旋律が提示されると、ヴァイオリンが心の想いを伝える可憐なメロディを綴っていきます……。

第2楽章 アンダンテ

ほのかに懐かしさを漂わせる気品に満ちた主旋律が、平和な美しい情景を彷彿とさせます。

第3楽章 アレグレット・ノン・トロッポ 〜 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ

「真夏の夜の夢」を想わせる軽妙でファンタジックなメロディが印象的。ヴァイオリンの響きは透明感が冴え渡り、ぐんぐんと勢いを増して華麗なフィナーレを迎えます!

オススメ演奏

ジャニーヌ・ヤンセン(Vn)シャイー指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、他

ヴァイオリン協奏曲が歌う作品だとしたら、ヤンセンのヴァイオリンはその条件を最も満たす演奏でしょう。

最弱音から高音の伸びやかなメロディまで、音楽に深く入り込んだ叙情的な表現が強く心に響きます。

ジェームズ・エーネス(Vn)アシュケナージ指揮フィルハーモニア管弦楽団

Mendelssohn: Violin Concerto & Octet in E-Flat 

エーネスの演奏は余分なヴィブラートを排除したスッキリした演奏です。

明晰なアプローチ、磨き抜かれたテクニック、優れた音楽性など、どれをとっても秀逸ですが、この作品でも自然な語り口で音楽をとことん堪能させてくれます。

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この記事を書いた人

1961年8月生まれ。グラフィックデザインを本業としています。
現在の会社は約四半世紀勤めています。ちょうど時はアナログからデジタルへ大転換する時でした。リストラの対象にならなかったのは見様見真似で始めたMacでの作業のおかげかもしれません。
音楽、絵画、観劇が大好きで、最近は歌もの(オペラ、オラトリオ、合唱曲etc)にはまっています!このブログでは、自分が生活の中で感じた率直な気持ちを共有できればと思っております。

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