お洒落でエレガント! オードリーのキュートな魅力が光る! 映画・パリの恋人

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ファッション、歌、踊り、演出、見どころいっぱい!

1957年制作の映画「パリの恋人」は歌、踊り、ファッション、それにちょっぴりセンチメンタルなストーリーも加味された理屈抜きに楽しいミュージカル作品です。
この映画はミュージカル仕立てであるものの、それまでの舞台やミュージカル作品にありがちな「ひたすら歌って、踊る」というショービジネス的な枠に決してはまっていません。
しっとりとした情感の演出やモード的な要素、ロケをふんだんに取り入れるなど、趣向を凝らした演出が新感覚のエンタメの魅力として花開いているのです。
しかもお洒落でエレガント、かつユーモアたっぷりで、時にホロリとさせてくれるのもいいですね……。
監督のスタンリー・ドーネンは、『雨に唄えば』をはじめとする数々のミュージカル作品を手がけていますが、さすがに見せ場を良く知っています。
ミュージカルの大スター、フレッド・アステアと雑誌の編集長役ケイ・トンプスンがパリを舞台に繰り広げる華麗なダンスは鳥肌が立つほどの素晴らしさ!
ガーシュインの魅力的な音楽やファッション雑誌をめくるようなカット割りの効果も見事としかいいようがありません!
成熟した歌、踊り、溜息の出るようなモード系ファッション、場面の転換など、画面から生き生きしたリズムやエネルギーがぐんぐん伝わってくるのです。
公開されたのが1957年ですが、当時としてもかなりモダンで斬新なテイストの映画であったことは間違いないでしょう。全編クリエイティブな雰囲気が満ち満ちていて、あらゆる視点から楽しめるのです。

オードリーの魅力とミュージカル

この映画の成功の大きな要因はエンタメの帝王フレッド・アステアの至芸を抜きにしては語れませんが、何といってもオードリー・ヘップバーンの存在が大きいですね。
オードリーの魅力はこの映画を一段も二段も引き立たせているだけでなく、ミュージカル作品に新しい生命を吹き込んだのです。
キュートでスタイリッシュ、溜息が出るようなモードファッション、そして瑞々しく澄んだ眼差しは誰をも魅了するかのよう……。
歌は決してお世辞にも上手いとはいえないし、踊りもアステアやトンプソンのような名人に比べれば遜色があるのは仕方ありません。でもオードリーがいなかったら、この映画はとても寂しいものになってしまったかもしれません……。
周囲を明るく照らす独特のオーラは他の女優さんからはなかなか得られないものでしょうね。
まるで俗世間に咲いた野の花や妖精のように可憐な魅力をふりまき私たちを魅了するのです。

あらすじ

ニューヨークのファッション雑誌・クォリティ・マガジン誌の編集長マギー(ケイ・トンプソン)は「ミス・クォリティ」と名づけて新しいモデルを探し出した。パリの世界的デザイナー、ポール(ロバート・フレミング)に衣裳を作らせてファッション・ショーを開き、その写真で大いに雑誌を売ろうという計画だったのだ。

ミス・クォリティのモデル探しは有名なカメラマンのディック(フレッド・アステア)に一任された。苦労の末、古本屋の店番をするジョー(オードリー・ヘップバーン)という娘を見つける。

彼女はパリのフロストル教授が主宰する「共感主義」の哲学を信奉するインテリ娘だった。ジョーはファッション・モデルに関心はなかったが、パリに行けばフロストル教授に会えるので、ミス・クォリティになるのを承諾した。雑誌の編集長マギー、カメラマンのディックと共にジョーはパリへ飛び立つのだが……。

名場面、ナンバー

魅力的なキャスティングはもちろんのこと、色彩感あふれ、ロケを多用した演出も目を見張りますね。そしてガーシュイン兄弟の音楽も魅力的で忘れられません。

Think Pink!

雑誌編集長役のケイ・トンプソンが歌うナンバー。

ちょっとコミカルな味わいがいいです。ピンクを基調にした歌、踊り、カット割の面白さに加え、安定したトンプソンの歌が聴かせてくれます。

How long has this been going on

オードリーが図書館で憧れと揺れ動く想いを絡めて歌うガーシュインのナンバー。

オードリーの魅力があふれるシーンですね。澄んだ眼差しや素直な歌声が忘れられません。

Funny Face

写真現像所でのアステアとオードリー。

アステアの歌、オードリーとの踊りが魅力的。『ファニーフェイス』(個性的で魅力ある顔立ち)という歌の歌詞はオードリーにこそふさわしい!……と思ってしまいますね。

Bonjour Paris

パリへと飛びだった3人が繰り広げる上機嫌のナンバー。

パリのロケがとても効果的ですね。そしてカメラワークも凄い!オードリー、アステア、トンプソンのダンスや歌は楽しいだけでなく、エンタメの奥深さや醍醐味を充分に伝えてくれます!

He  loves and She loves

古城をバックにオードリー、アステアが愛を確かめあうシーン。

屋外での柔らかな光に包まれて、愛を語り合う二人。ロマンチックな雰囲気が印象的です。クラシックバレエを特技とするオードリーとアステアの息もピッタリですね。
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新しさと古きよきミュージカル黄金時代の面影も残す『パリの恋人』はエンターテイメント好きの方々にとってはたまらない作品と言えるでしょう!
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この記事を書いた人

1961年8月生まれ。グラフィックデザインを本業としています。
現在の会社は約四半世紀勤めています。ちょうど時はアナログからデジタルへ大転換する時でした。リストラの対象にならなかったのは見様見真似で始めたMacでの作業のおかげかもしれません。
音楽、絵画、観劇が大好きで、最近は歌もの(オペラ、オラトリオ、合唱曲etc)にはまっています!このブログでは、自分が生活の中で感じた率直な気持ちを共有できればと思っております。

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