ジョン・ウィリアムズ映画音楽の魅力|スター・ウォーズ・E.T.など名曲と代表作を解説

映画を観終わったあとも、なぜか耳から離れない音楽があります。
壮大で、ドラマティックで、そして一度聴いたら忘れられないメロディ──。

その多くを生み出してきたのが、映画音楽の巨匠
**ジョン・ウィリアムズ**です。

彼はこれまでに

  • スター・ウォーズ
  • E.T.
  • ジュラシック・パーク
  • シンドラーのリスト

など、映画史に残る数々の名作の音楽を手がけてきました。

壮大なオーケストラサウンド、誰もが口ずさめるテーマ音楽、そして物語と一体になったドラマティックな音楽表現。
ウィリアムズの音楽は、映画の世界を何倍にも豊かに広げてくれる力を持っています。

この記事では、そんなジョン・ウィリアムズの代表作を振り返りながら、
映画音楽の歴史を変えたその魅力と特徴を分かりやすく解説していきます。

映画ファンはもちろん、クラシック音楽が好きな方にもぜひ知ってほしい、
映画音楽の最高峰の世界をのぞいてみましょう。

目次

ジョン・ウィリアムズとは?映画音楽の巨匠

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John Williams(1932〜)

1932年、ニューヨーク・ロングアイランド生まれ。指揮者、ピアニストとして有名ですが、何よりも「スターウォーズ」「E.T.」などの音楽で知らない人はいないのでは…と思えるほど有名な映画音楽作曲家ですね。

ジュリアード音楽院とイーストマン音楽院で学んだ後にロサンゼルスに移住します。

映画スタジオでピアニストとして活動していた際に、オーケストラの編曲の仕事が舞い込こんだことがきっかけで映画音楽作曲に本格的に足を踏み入れようになったのでした。

1970年代以降はジョージ・ルーカスやスピルバーグらと組んで、映画「ジョーズ」「スターウォーズ」「スーパーマン」「E.T.」「シンドラーのリスト」など、話題作の音楽を次々と担当します。

その後の活躍は誰もが知るところでしょう。一躍ハリウッドで映画音楽の巨匠として不動の名声を確立したのでした。

ジョン・ウィリアムズ映画音楽の特徴

Ken-David MasurJohn Williams, and Steven Spielberg at David Geffen Hall, 25 April 2023
2023年のデヴィッド・ゲフィン・ホールでのケン=デヴィッド・マズア(左)、ウィリアムズ、スピルバーグ

ジョン・ウィリアムズの映画音楽は、一度聴いただけで深く心に残る力強さと分かりやすさを兼ね備えています。
その魅力は壮大なオーケストラサウンドというだけではなく、映画の物語と深く結びついた音楽表現にあります。

ここではウィリアムズ音楽の代表的な特徴をいくつか見てみましょう。

覚えやすく力強いメロディ

ウィリアムズの音楽の最大の特徴は、一度聴いたら忘れられないメロディです。

『スター・ウォーズ』のメインタイトルや『スーパーマン』のテーマなどは、出だしの数秒聴くだけでその作品を思い出せるほど強烈な印象を与えてくれます。

これは映画音楽として理想的な形ともいえるもので、音楽が映画の世界観や登場人物のイメージと無理なく結びつき、観客の記憶に深く刻まれていくのです。

クラシック音楽の伝統的なメロディの魅力を活かしながら、誰にでも親しみやすい音楽を作り上げた点は、ウィリアムズの功績であり、彼ならではの才能と言えるでしょう。

オーケストラの壮大な響き

John Williams & Berliner Philharmoniker – Olympic Fanfare and Theme
「オリンピック・ファンファーレとテーマ」
John Williams & Berliner Philharmoniker –
Olympic Fanfare and Theme

もうひとつの大きな特徴が、シンフォニックで壮麗なオーケストラサウンドです。

1970年代当時、映画音楽は電子音やポップス的なスタイルも増えていましたが、ウィリアムズはあえてクラシック音楽の伝統的なオーケストラスタイルに挑みました。

その結果、『スター・ウォーズ』や『ジュラシック・パーク』のように、まるで交響詩のようなスケールを持つ映画音楽が生まれました。

壮大な金管楽器の響き、流れるような弦楽器の旋律、色彩豊かな管楽器の表情。
これらが組み合わさることで、映画の世界観が一層ドラマティックに広がっていきます。

登場人物や物語を表すテーマ音楽

John Williams & Vienna Philharmonic – Williams: Imperial March (from “Star Wars”)
「ダース・ベイダーのマーチ」スター・ウォーズより
John Williams & Vienna Philharmonic
Williams: Imperial March (from “Star Wars”)

ウィリアムズは映画の登場人物や物語に、それぞれ固有のテーマ音楽(ライトモティーフ1)を与える手法をよく用いています。

例えば『スター・ウォーズ』では

  • ルークのテーマ
  • レイア姫のテーマ
  • 帝国のテーマ(ダース・ベイダー)

などがそれぞれ異なる音楽として登場します。

これらのテーマは物語の展開とともに変化しながら繰り返されるため、観客は自然と音楽を通して物語の流れや登場人物の感情を感じ取ることができます。

まさに音楽が「もうひとつの語り手」として映画を支えていると言えるでしょう。

ジョン・ウィリアムズが映画音楽に与えた影響

ジョン・ウィリアムズは単に多くの名曲を書いた作曲家というだけではありません。
彼は映画音楽そのものの流れを変えた人物としても高く評価されています。

ハリウッド映画音楽の復活

1960年代から70年代にかけて、映画音楽はジャズやポップス、電子音楽など多様なスタイルが使われるようになっていました。

しかし1977年の『スター・ウォーズ』でウィリアムズが書いた壮大なオーケストラ音楽は、観客に強烈な印象を与えました。

まるでクラシック音楽の交響詩のようなスケールを持つ映画音楽は、多くの人々に新鮮な驚きを与え、ハリウッド映画音楽のシンフォニックなスタイルを復活させたとも言われています。

映画と音楽の理想的な関係

ウィリアムズの音楽は、単に背景として流れる音楽ではなく、物語と一体になって映画を支える存在です。

例えば

  • 『ジョーズ』ではサメの恐怖を2つの音だけで表現
  • 『E.T.』では空を飛ぶシーンを音楽が包み込む
  • 『シンドラーのリスト』では深い悲しみと祈りを音楽が語る

このように、音楽が映画の感情を大きく広げる役割を果たしています。

そのため多くの映画監督がウィリアムズを信頼し、とりわけスティーブン・スピルバーグとは長年にわたり名コンビとして数々の名作を生み出してきました。

次世代の映画音楽作曲家への影響

ウィリアムズの音楽は、その後の映画音楽作曲家にも大きな影響を与えました。

壮大なオーケストラサウンドと分かりやすいテーマを中心としたスタイルは、現代のハリウッド映画音楽の基本とも言える存在になっています。

現在活躍する多くの作曲家がウィリアムズの音楽に影響を受けていると言われており、彼の音楽は映画音楽史の中でも特別な位置を占めているのです。

ジョン・ウィリアムズ代表作と名曲

ウィリアムズは約半世紀に渡り、映画音楽作曲家の巨匠としてスピルバーグ監督を筆頭に話題作、ヒット作の音楽を提供し続けています。

内容もさることながら、それだけ彼の音楽が全米で(いや全米だけではない…)愛されている証拠ですよね。

明るく明瞭、誰にでも分かりやすくて、勇気と希望を与えてくれる音楽の数々。しかも人柄もフレンドリーで屈託がない……。

多くの作品がアカデミー賞やグラミー賞を受賞した秀作揃いというのもうなずけます。グラミー賞25回、アカデミー賞5回、英国アカデミー映画賞7回、ゴールデングローブ賞4回を受賞。

もちろんここに挙げた作品だけが傑作というわけではなく、あげきれなかったからとりあえずこの程度でお許しくださいという感じです。

ジョーズ(1975)|2音で恐怖を表現した映画音楽

STAFF&CAST

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/ピーター・ベンチリー

製作/リチャード・D・ザナック/デイビッド・ブラウン

出演/ロイ・シャイダー/ロバート・ショウ

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ビル・バトラー 

ジョン・ウィリアムズの名前を強烈に印象づけた作品。特に印象的なのが冒頭の2音で構成されるサメが姿を現す部分。

ウィリアムズはサメの恐怖を重低音のシンプルなメロディとリズムの分散和音で表現して、作品全体のイメージを決定づけた。

スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977)

John Williams & Wiener Philharmoniker – "Main Title" from "Star Wars: A New Hope"
メインタイトル~『スター・ウォーズ エピソード4
新たなる希望』から
John Williams, Berliner Philharmoniker – Throne Room & End Title (Official Music Video)
王座の間とエンド・タイトル~
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』から
STAFF&CAST
監督/ジョージ・ルーカス
脚本/ジョージ・ルーカス

製作/リチャード・D・ザナック/デイビッド・ブラウン

出演/マーク・ハミル/ハリソン・フォード/キャリー・フィッシャー

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ギルバート・テイラー

まるでイギリスの作曲家ホルストの「惑星」組曲を彷彿とさせる宇宙のロマンと神秘が眼前に広がる! 映画音楽の名曲中の名曲!

一度聴いたら忘れられない「メインタイトル」の壮麗で雄大なテーマはもちろん、「ジェダイのテーマ」や「王座の間とエンドタイトル」の夢とロマンを伝えてやまない音楽もワクワクがとまらない。

スーパーマン(1978)

STAFF&CAST
監督/リチャード・ドナー
脚本/マリオ・プーゾ/デイビッド・ニューマン/レスリー・ニューマン/ロバート・ベントン
製作/ピエール・スペングラー

出演/クリストファー・リーブ/マーゴット・ギター/マーロン・ブランド

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ジェフリー・アンスワース

テーマ音楽が聴こえただけで胸がワクワク。

ヒーローものにありがちな軽めの曲想がいっさいない。シンフォニックでキビキビしたリズムのテーマ音楽が一瞬にしてスーパーマンの魅力に引き込んでいく。分かりやすくて人の心をがっちりつかんだテーマ音楽。こんなテーマ音楽、どこにでもありそうでない!

レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981)

STAFF&CAST

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/ローレンス・カスダン

製作/フランク・マーシャル

出演/ハリソン・フォード/カレン・アレン

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ダグラス・スローカム

モーセの十戒の破片を納めたアーク(聖櫃)。そには神秘的な力が秘められていると伝えられていた。アメリカの考古学者インディ・ジョーンズはそれをめぐる冒険を命からがら繰り広げる。

主役ハリソン・フォードの魅力が全開の作品。

軽快なテンポとリズムで突き進むウィリアムズのテーマ音楽がストーリーの展開を大いに盛り上げていく!

E.T.(1982)

https://youtu.be/2-qrMz-JAzo

STAFF&CAST

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/メリッサ・マシスン

製作/スティーヴン・スピルバーグ/
キャスリーン・ケネディ
出演/ヘンリー・トーマス/ドリュー・バリモア/パット・ウェルシュ

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/アレン・ダヴィオー

映画もさることながら、テーマ音楽も突き抜けた魅力でいっぱい! ファンタジックで魔法のような自由奔放さと面白さにあふれたメロディが全編を駆けめぐる!

夢と希望に満ちあふれたSFロマンを彩るお茶目な音楽が心に残る。

ジュラシック・パーク(1993)

John Williams & Vienna Philharmonic – Williams: Theme from “Jurassic Park”
ジュラシックパークのテーマ
STAFF&CAST

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/マイケル・クライトン/デヴィッド・コープ

製作/キャスリーン・ケネディ/ジェラルド・R・モーレン

出演/サム・ニール/ローラ・ダーン

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ディーン・カンディ

太古の世界に想いを馳せながら、DNAから遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する究極のアミューズメント・パークがあった。

恐竜ワールドに飲み込まれていく人類の皮肉と恐怖を、めくるめくスピーディーな映像で見る者を興奮のるつぼに連れ去る。

ウィリアムズはリアリスティックな要素だけでなく、ファンタジックな視点を注ぎ込みつつ壮大で奥深い太古のロマンを想起させる音楽を描いて秀逸だった。

シンドラーのリスト(1993)

STAFF&CAST

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/スティーヴン・ザイリアン

製作/キャスリーン・ケネディ/スティーヴン・スピルバーグ/ジェラルド・モーレン/ブランコ・ラスティグ

出演/リーアム・ニーソン/ベン・キングズレー/レイフ・ファインズ

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ヤヌス・カミンスキー

ナチスのユダヤ人捕虜収容所の悲劇とそれを救出しようとするシンドラーのストーリー。おそらく映画史に残り、今後も語り継がれるであろう衝撃と感動の名作。

ウィリアムズの音楽もいつものスタイルとはまったく違う鎮魂や哀惜の想いで一貫していて、彼のキャパシティの広さを実感する。

特にテーマ音楽のヴァイオリンの響きは深い哀しみの中にも優しさを漂わせていて、一度聴いたら忘れられない心に染みる傑作。

プライベート・ライアン(1998)

STAFF&CAST

監督/スティーブン・スピルバーグ
脚本/ロバート・ロダット

製作/イアン・ブライス/マーク・ゴードン/ゲイリー・レヴィンソン/スティーヴン・スピルバーグ

出演/トム・ハンクス/マット・デイモン

音楽/ジョン・ウィリアムズ

撮影/ヤヌス・カミンスキーー 

スピルバーグ監督が、第2次世界大戦時のノルマンディー上陸作戦を題材に、極限状態に置かれた兵士たちの絆と生きざまを描いた戦争ドラマ。

凄惨な戦場を徹底したリアリズムで描き、1999年・第71回アカデミー賞で監督賞、撮影賞など5部門を受賞した。

ウィリアムズの音楽は葛藤する人物たちの心に寄り添うような音楽を書き上げた。

映画音楽家の鏡として

ジョン・ウィリアムズの映画音楽は、単なる背景音楽ではありません。
それは物語を語り、登場人物の心情を表し、観客の感情を大きく揺さぶるもうひとつのドラマとも言える存在です。

たとえば

  • ジョーズの2音の恐怖
  • スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望の壮大な宇宙ロマン
  • E.T.の夢と友情を描くファンタジー
  • シンドラーのリストの深い祈りと悲しみ

これらの音楽は、映画そのものと同じくらい人々の記憶に残り続けています。

壮麗なオーケストラサウンドと印象的なメロディによって、
ジョン・ウィリアムズは映画音楽を芸術の域にまで高めた作曲家と言えるでしょう。

そして現在もなお、彼の音楽は世界中のオーケストラで演奏され、多くの人々に夢や感動を届け続けています。

これから映画を観るときは、ぜひ物語だけでなく
音楽がどのように映画の世界を広げているのかにも耳を傾けてみてください。

きっとジョン・ウィリアムズの音楽が、映画の楽しみ方をさらに豊かなものにしてくれるはずです。

よくある質問(FAQ)

Q1.ジョン・ウィリアムズとはどんな作曲家ですか?

ジョン・ウィリアムズは1932年生まれのアメリカの作曲家で、映画音楽の分野で世界的に知られる巨匠です。
スター・ウォーズやE.T.など数多くの名作映画の音楽を手がけ、アカデミー賞やグラミー賞を多数受賞しています。

Q2.ジョン・ウィリアムズの代表作は何ですか?

代表的な映画音楽には次のような作品があります。

  • ジョーズ
  • スター・ウォーズ
  • E.T.
  • ジュラシック・パーク
  • シンドラーのリスト
  • ハリー・ポッターと賢者の石

いずれも映画音楽史に残る名曲として知られています。

Q3.ジョン・ウィリアムズの音楽の特徴は?

ジョン・ウィリアムズの映画音楽には次のような特徴があります。

  • 覚えやすく印象的なメロディ
  • 壮大なオーケストラサウンド
  • 登場人物ごとにテーマを与える音楽手法(ライトモティーフ)

これらの要素が組み合わさることで、映画の世界観をより強く印象づける音楽が生まれています。

Q3.なぜジョン・ウィリアムズは映画音楽の巨匠と言われるのですか?

ジョン・ウィリアムズは、映画音楽にクラシック音楽の壮大なオーケストラスタイルを復活させ、映画と音楽の関係をより深いものにしました。
その影響は現在の映画音楽にも大きく残っており、映画音楽史における最も重要な作曲家の一人と評価されています。

  1. 特定の人物の登場シーンや、状況をイメージさせる場面などで繰り返し使われる短いテーマ音楽。 ↩︎
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