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交響曲

  • 2023年12月22日

苦悩・絶望を超えて希望の未来へ到達する道程・ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」

年末の定番・「第9」   2023年個人的には、一年をとおして病気がちだった年でした。 3月にインフルエンザにかかって回復はしたものの、3か月は重い倦怠感から抜け出せなかったり、GWにはコロナにかかって身も心もボロボロになったり、5月の半ばには尿路感染症になって衰弱状態になるなど、特に上半期はつらい日々が続きました。 そういう意味では今年の自分の1年を振り返って一言でいえば「耐」そのもの […]

  • 2021年10月20日

甘く切ないメロディが映し出す美しい記憶!ラフマニノフ・交響曲第2番

  甘く切ないメロディ ラフマニノフはクラシックの作曲家の中ではメロディメーカーとして一目置かれる存在です。 活動した時代が19世紀後半から20世紀前半だったため、音楽の様式、スタイルが現代のリスナーにも比較的受け入れやすいということもあるのでしょうね。 20世紀前半といえば、ちょうどジャズやポップス、民族音楽など、さまざまな音楽の要素がクラシック音楽に組み込まれ、多様化が際立ってきた時 […]

  • 2021年7月17日

ルールや形式を超えた恐るべき交響曲!ベートーヴェン交響曲第5番「運命」

血みどろの闘いのはてに Embed from Getty Images ハイリゲンシュタットを散歩するルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン   本当の幸福、いや幸福感と表現したほうが適切なのかもしれませんが……、幸福はただ黙って日々誠実に正直に生きていれば、あるとき自然に手に入るものなのでしょうか。 残念ながら決してそのようなことはないでしょうね……。 幸福は待っていれば訪れるという類の […]

  • 2021年3月4日

癒えない哀しみと苦悩の旋律 チャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』

ロマンチズムの極地、衝撃の交響曲   チャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調『悲愴』。言うまでもなく傑作中の傑作です。 この作品、以前は第4楽章があまりにも悲し過ぎて、好き好んで聴くことがありませんでした……。でも人生経験を積んで、いろんな想いを通過して改めて聴き返すと、これが本当に感動的なのです。そしてチャイコフスキーがなぜこの交響曲を書いたのかということに納得するし、大いに共感してやま […]

  • 2020年12月1日

「フィガロ」の絆が生んだ傑作交響曲・モーツァルト交響曲第38番「プラハ」

  唯一モーツァルトの音楽が歓迎された モーツァルトは1786年に空前の大傑作「フィガロの結婚」を世に送り出しました。 「フィガロ」は当時いろいろと物議を醸し出した(貴族社会を痛烈に批判した)問題作でもありましたが、モーツァルトがありとあらゆるインスピレーションの限りを尽くした意欲作でもありました。 ウイーンでの「フィガロ」の上演は成功には至りませんでしたが、唯一プラハ(当時のボヘミアの […]

  • 2019年2月20日

しなやかで聴きごたえ充分のベートーヴェン! カルロス・クライバー「ベートーヴェン交響曲第7番」

ベートーヴェンの中期の傑作 ベートーヴェンの交響曲はとっつきにくいと思われてます。確かに演奏は難しいし、曲の本質を汲み取るのが大変なのも事実でしょう。 しかし、聴けば聴くほどにベートーヴェンの深い着想やインスピレーションには唸るしかないし、ただただ驚かされるばかりです。 そして全曲を聴き終わると、たとえようのない、大きな何かに包み込まれたような感覚が残るのもベートーヴェン独特の魅力なのです。 また […]