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2021年4月

  • 2021年4月21日

人間と苦楽を共にし、寄り添う自然の姿を描く! ルーベンス「虹のある風景」

  自分の内面を見つめるゆとり 風景画は描いた人の人生観が絵に表れやすいと言われます。 「虹のある風景」は歴史画、人物画の大家としてバロック絵画の頂点を極めたルーベンスが晩年に描いた風景画です。 ルーベンスといえば筋骨隆々とした力強く豊満な肉体の人物画を描いてきた人としてあまりにも有名ですね。 でも彼が晩年になると次第に農夫や動物たちを配置した風景画を描くようになります。これはどういうこ […]

  • 2021年4月17日

音のパレットから紡ぎ出される洗練と詩情!ドビュッシー『前奏曲全2巻』

感性が光る名曲   印象派の音楽家と言えば「ドビュッシー」というくらい、革新的で感性豊かな音楽を確立した人ですが、「彼のピアノ曲はどうも苦手だ……」とおっしゃる方は少なくなくありません。 初期の『アラベスク』や『ベルガマスク組曲』あたりは調性やメロディラインもはっきりしており、比較的親しみやすいのは間違いありません。 しかし後期の『映像』や『前奏曲』、『練習曲』になるとお手上げという方が […]

  • 2021年4月3日

壮絶な心の軌跡・ピアノソナタの傑作 ベートーヴェン『熱情』

苦難と向き合い傑作が誕生   1805年に作曲されたベートーヴェンのピアノソナタ第23番ヘ短調『熱情』は音楽史上あらゆる面で規格外な傑作です。 超絶的な技巧を必要とし、それまでのピアノの性能を超えた音域や音色、大胆な構成、火の出るような感情表現は当時の音楽界、ピアノ演奏に革命的な変革をもたらしたのでした。 この作品を発表する数年前のベートーヴェンはどん底ともいえる深刻な状況に襲われていま […]