オペラをこれから本格的に楽しむための7つの方法

オペラは最高のエンターテイメントです。

歌、芝居、管弦楽、美術…ありとあらゆる要素が結集された面白さと感動は他のクラシック音楽とはちょっと異質のものかもしれません。

オペラをこれから楽しもうという方にとって、押さえるべきいくつかのポイントがあります。これらのポイントを押さえながら、オペラがあなたにとってかけがえのない人生の一部になりますように。

目次

作品のあらすじを理解する

オペラは総合芸術ですから、おおよその作品のストーリーを知らなければなりません。

もちろん音楽がメインといえばメインなのですが、せめてあらすじだけでも大まかに把握しておいたほうがいいでしょう。

あらすじを知っていると、ストーリーの展開が無理なく追えるようになります。

オペラは大作が多く、ほとんどの作品が2時間から3時間半、中には5時間を超えるものもありますね……。

でも最低限あらすじを理解していればチンプンカンプンということはありえません。

たとえば、オペラは2幕から4幕くらいで構成されている場合が多いので、幕ごとのストーリーの流れをつかんでおいたほうがいいかもしれません。

3時間トータルで一括りというよりは、40分から1時間単位の一幕単位でストーリーを追ったほうが、作品そのものをずっと理解しやすくなります。

主な登場人物を理解する

オペラでしっかり押さえたいのが登場人物の役どころと人間関係です。

たとえばモーツァルトの「フィガロの結婚」では、スザンナや伯爵、フィガロが織りなす恋のやりとりがひと騒動を巻き起こすのですが、それぞれに生き生きとした持ち味があり魅力があります。

そのように登場人物の性格や相関関係がどうなっているのかをつかんでおくと、音楽の楽しみ方が倍増します。

歌手が朗々と歌うのはどうしてなのか、裏声で可愛いらしく歌うのは、邪悪な表現をするのはどうして…、すべてはキャスティングの役どころを声や演技で身体を張って表現するのがオペラ歌手なのです。

音楽の雰囲気をつかむ

おそらく、音楽の雰囲気を身体に染み込ませる……、もっと言うなら音楽の魅力を心に刻むことはオペラを楽しむための最大のポイントでしょう。

作品のあらすじを理解するのは、その後でも充分かもしれません。

まずは音楽あってのオペラですから、音楽の良さを心やフィーリングで感じとれないと素直にオペラを楽しむのは難しいでしょう。

原作や台本を読んだだけだと、とても傑作には思えないのに、音楽が絡んだ途端に俄然輝きを放つ作品もたくさんあります。

やはり音楽の力は絶大なのです!

「これは」と思う作品があれば、何度もCDやDVDで通して観たり、聴いたりするのもいいですね。

通して聴く中で、心に引っかかるメロディや場面があれば、そこを何度もプレビューするのもいいです。

オペラはちょっとしたきっかけで面白さがグンと増しますし、それが他のクラシック音楽にはない共鳴感や感動を起こすのです。

代表曲を聴いてみる

モーツァルトの「フィガロの結婚」であれば、「もう飛ぶまいぞこの蝶々」があり、ヴェルディの椿姫には「乾杯の歌」、プッチーニの蝶々夫人には「ある晴れた日に」のように、そのオペラを代表する名曲があります。

オペラはそのような名曲によって、ストーリーの展開に華を添え、作品を強く印象づける役目をはたしているのです。

そのようなオペラの名曲は主人公や様々なキャストが想い抱く心の内を吐露したメロディが多く、劇と観客を結びつける接点にもなるのです。

音楽配信サービスで通して聴く

現在音楽シーンの主流になっているのが、音楽配信サービスです。

これらのサービスはモバイル端末にアプリをダウンロードさえすれば、手軽に様々なジャンルのアーティストの曲を聴けるのが大きなメリットですね。

でも残念ながら、オペラやクラシック音楽の配信に関してはどの音楽配信サービスも少なめです。その中で唯一、例外的に充実しているのがSpotifyです!

古楽からバロック、古典派、ロマン派、現代音楽……。検索するとたくさんの候補が出てきて、質量ともに充実しているのが一目瞭然です。

Spotifyのアルバム一覧例

オペラも過去の名盤から比較的新しいライブ演奏まで、たくさんの候補がアルバム単位で表示されるのがうれしい限りです。

たとえばヴェルディの「椿姫」と検索すれば、たくさんの候補が出てきます。なお、日本語検索よりは「Verdi  Traviata」や「Verdi  La traviata 」のように英語検索をかけたほうが多くヒットするのは言うまでもありません。

しかも2枚〜3枚組CDアルバムのようにディスクを入れ替える必要がないので、その気があれば3時間のオペラを一気に聴き通すことが可能です。

何度も通して聴くことで、そのオペラの全体像が見えてきますし、確実に音楽の魅力が身体に染み込んでくるようになります。

そのような意味でも、Spotifyの提供するサービスはオペラにこれから親しもうとする方には心強いパートナーになるかもしれません。

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字幕は必須

オペラを楽しむ上で絶対に避けて通れないのが日本語字幕です。

もちろん團伊玖磨の「夕鶴」のように、日本人作曲家によるオペラであれば字幕の必要はありません。ただひたすら音楽と劇に目と耳を傾ければいいのです。

しかしほとんどのオペラはラテン語、ドイツ語、イタリア語のどれかですから、ストーリーを追う上で字幕がないと大変なことになってしまいます。

特に生公演の場合は字幕がしっかり読み取れる席に着くのは必須条件といえるでしょう。予約の際に字幕がどのように映し出されるのかを主催者側に確認することも大切ですね。

過去の名盤、名演奏を聴く

 

CDやDVDで過去の名盤を聴いたり、観たりすることは作品の本質をつかむ上で大きな力になります。

名演奏と絶賛され一定の評価を受けた公演は、その作品の魅力を最大限に伝えてくれると同時に、理解を深めてくれるものです。

まずは名演奏の誉れ高い録音に接して、作品の魅力を何度も味わってみましょう。

特にDVDやブルーレイではキャストの表情、舞台演出や客席との空気感が伝わってきますので、オペラの雰囲気を味わうにはオススメです!

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この記事を書いた人

1961年8月生まれ。グラフィックデザインを本業としています。
現在の会社は約四半世紀勤めています。ちょうど時はアナログからデジタルへ大転換する時でした。リストラの対象にならなかったのは見様見真似で始めたMacでの作業のおかげかもしれません。
音楽、絵画、観劇が大好きで、最近は歌もの(オペラ、オラトリオ、合唱曲etc)にはまっています!このブログでは、自分が生活の中で感じた率直な気持ちを共有できればと思っております。

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