夢とロマンチックな物語の世界へ誘う メンデルスゾーン「真夏の夜の夢」

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シェークスピアの物語を音楽で完璧に再現!

Felix Mendelssohn 1809-1847

劇音楽「真夏の夜の夢」は言うまでもなくシェークスピアの戯曲をイメージして作曲された音楽です。

メンデルスゾーンは17歳の時に序曲のみを作曲したのですが、それを聴いたプロイセン王フリードリヒ・ウィルヘルム4世はあまりの完成度の高さに感動し、改めて組曲としての作曲を依頼したというエピソードがあります。

妖精たちのストーリーをテーマにしたファンタジックな音楽のイメージ表現はメンデルスゾーンが得意とするところで、それぞれの場面を彷彿とさせる楽器の扱いかたやデリケートな転調は見事と言うしかありません! 

メンデルスゾーンは風景画を描いても確かな描写力を発揮したことで有名ですが、この作品での場面の情景が目に浮かんでくるような雄弁な音楽づくりは本当にひきつけられますね……。

ロマンチックで抒情的なメロディが随所に散りばめられているのも大きな魅力です!

インスピレーションと気品にあふれた音楽は、あらゆる人を満足させるに充分な傑作といえるでしょう。

聴きどころ

この作品は通常の管弦楽曲とは違い、劇音楽としての多様性や面白さをすべてにおいて持ち合わせた作品といえます。

情景描写としてだけでなく、誰もが心踊り、別世界に誘われるような音楽の役割を完璧に果たしているのもメンデルスゾーンの音楽性ゆえんでしょう!

特に「スケルツォ」、「夜想曲」、「結婚行進曲」はコンサートだけでなく、日常生活の様々な場面で単独で演奏される事でも有名ですね。

スケルツォ

第1幕と第2幕の間に演奏される音楽です。森の妖精がおしゃべりをしながら動き回っている様子が浮かんでくる楽しい曲です。

木管楽器と弦楽器の絡みの美しさ、楽しさが際立つ音楽ですね。

間奏曲

第2幕と第3幕の間奏曲です。光や影、色彩が七変化するように変わる主人公の胸中を音楽に託しています。繊細な美しさが際立ちます!

夜想曲

静寂の中にこだまするホルンの響きが、深い余韻を残す印象的な音楽です。中間部のしっとりとした情緒と相まって懐かしい雰囲気を醸し出します。

結婚行進曲

トランペットのファンファーレに始まり、祝典的な晴れやかな雰囲気の中で音楽はキラキラと輝きを放つように大いに盛り上がっていきます。

この作品の中で最も有名で、あらゆる結婚式の披露宴のテーマソングとして使われることの多い音楽です。

オススメの演奏・CD

クレンペラー=フィルハーモ二ア

重厚でゆったりとしたテンポが定評あるクレンペラー盤

もちろんそれは単に遅いというだけではありません。立体的な造型や彫りの深い響き、豊かな叙情性など、音楽を聴く喜びを無限に与えてくれるのです。 

特に「スケルツォ」や「夜想曲」のスローテンポながら、陰影に富んだ情緒満点の音楽づくりは見事というしかありません。

「間奏曲」の繊細を極める転調の美しさも抜群です。

マーク=ロンドン交響楽団

ペーター・マーク指揮ロンドン交響楽団の演奏もメンデルスゾーンの管弦楽の醍醐味を充分に伝えてくれます。

楽器の響きのバランスや色彩感は抜群で、聴く人はすんなりと「真夏の夜の夢」の魅力に浸ることができるでしょう!

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この記事を書いた人

1961年8月生まれ。グラフィックデザインを本業としています。
現在の会社は約四半世紀勤めています。ちょうど時はアナログからデジタルへ大転換する時でした。リストラの対象にならなかったのは見様見真似で始めたMacでの作業のおかげかもしれません。
音楽、絵画、観劇が大好きで、最近は歌もの(オペラ、オラトリオ、合唱曲etc)にはまっています!このブログでは、自分が生活の中で感じた率直な気持ちを共有できればと思っております。

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