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2020年12月

  • 2020年12月23日

夜空に輝く星の光のように・バッハ『平均律クラヴィール曲集第1巻』

ピアニストの試金石   バッハの平均律クラヴィーア曲集は、彼のクラヴィーア作品の中で特に重要な作品です。無限のイマジネーションと真摯な宗教性が融合した不朽の傑作といえるでしょう! 19世紀の指揮者兼ピアニストのハンス・フォン・ビューローは「ベートーヴェンのピアノソナタ集がピアノの新約聖書だとしたら、バッハの平均律クラヴィーア曲集は旧約聖書」とたとえて絶賛しました。 また「無人島に1枚だけ […]

  • 2020年12月16日

気品あふれるルーブルの至宝!ラファエロ『美しき女庭師』

ルーブルの至宝「美しき女庭師」   美の殿堂と言えば、なんといってもフランス・パリのルーブル美術館! ここには世界中の有名な絵画や彫刻、美術品など、約38万点が展示されています。 そして名画の多いルーブル美術館の中でも象徴的な作品、いや「目玉の作品」と言えば皆さんは何を思い浮かべますか? 大抵の人が真っ先にあげるのが、レオナルド・ダヴィンチの「モナリザ」や「ミロのヴィーナス」ではないでし […]

  • 2020年12月13日

未来に眼が向けられた洗練のバロック・オペラ!ラモー「レ・ボレアド」

あらすじ バクトリアの女王アルフィーズは、出生不明のアバリスに恋をしていた。 彼女の国の伝統に従えば、アルフィーズは北風の神ボレの子のであるボリレかカリシスのどちらかと結婚しなければならない。 しかしアルフィーズは王位を退いてアバリスに愛の矢を授け、彼と結婚することを宣言する。このことにボレは猛烈に怒り、アルフィーズを幽閉し、地上を嵐で不毛の地にしてしまう。 アバリスはこのことに絶望し、「神に対し […]

  • 2020年12月6日

旋律、リズム、調和。音楽的体感が伝わる絵!クレー「パルナッソスへ」

  音楽的感性が絵に結実   かつて音楽を絵のモチーフにしたり、色彩のハーモニーを音楽になぞらえて描いた画家が少なからずいました。 カンディンスキー、デュフィ、ホイッスラーはいずれも音楽をテーマにした作品を残した画家と言えるでしょう。 ただし、カンディンスキーは音楽的なイメージを抽象的な視覚効果として表現した人ですし、デュフィは音楽の醸し出すイメージを色彩と形で表現し、ホイッス […]

  • 2020年12月1日

「フィガロ」の絆が生んだ傑作交響曲・モーツァルト交響曲第38番「プラハ」

  唯一モーツァルトの音楽が歓迎された モーツァルトは1786年に空前の大傑作「フィガロの結婚」を世に送り出しました。 「フィガロ」は当時いろいろと物議を醸し出した(貴族社会を痛烈に批判した)問題作でもありましたが、モーツァルトがありとあらゆるインスピレーションの限りを尽くした意欲作でもありました。 ウイーンでの「フィガロ」の上演は成功には至りませんでしたが、唯一プラハ(当時のボヘミアの […]