継続が基礎体力を増進
前回お伝えしました「階段を歩く」に続いて、今回は「坂道を歩く」についてお話したいと思います。
坂道は階段同様、平坦な道に比べるとずっと足や腰に負荷がかかってきます。階段は一段ずつ上らないと次に行けないけれど、坂道はできれば敬遠したいと思う方も多いのではないでしょうか……。
でも「坂道を歩く」ことは考えようによっては、「階段を歩く」以上に効果的で健康的です。
なぜなら坂道はほぼ100%屋外を歩くことになるので、コースを歩くことでいい意味での気分転換、リフレッシュにもつながるからです。
都心でも意外とアップダウンが続く坂道は多く、特に渋谷や恵比寿、代官山あたりは格好のウオーキングコースになりやすい地形ですね。
私は中目黒駅から恵比寿駅の東口まで歩くのが大好きです! この辺りもかなりアップダウンが多くてキツイはずなのですが、街並みを横目で見ながら歩くのが楽しくて、気がついたら到着しています……。
街並みが自分のフィーリングに合っていると、多少の坂道も気にしないで気分よく歩けるんですよね。
これが駅の階段だと、そうはいきません。
歩き慣れていないと、ひたすら忍耐しながら歩くということになりかねないのです。
ただし、アップダウンのある坂道を歩くのが一回で終わってしまったら何にもなりません。継続することが何よりも大切です。
そのためにも相性が良く、自分の気持ちが向かいやすいコースを選ぶのがベストでしょう。
お決まりのコースを決める
坂道を歩こうと決めたら、次はどこを歩くかが問題です。職場や自宅の近隣で歩きやすいコースにするのもいいでしょう。
まずは坂道を歩くことに慣れることが必要です。まったく無理する必要はありません。
最初は平坦なコースに少しずつ坂道を加えていくという方法がいいかもしれません。
慣れてきたら、坂道を増やして距離を伸ばそうという発想が自然に出てくるものです。
「通勤のときに、急な坂道を歩いてるよ」と仰る方もいるでしょう。
でも通勤コースがどうも自分の気持ちにピッタリこないというのであれば、どこを歩いたら「素の自分」になれるのかということを考えてコースを選んだらいいでしょう。
気分によってコースを変える
坂道のアップダウンは足腰の健康に効果抜群と頭ではわかっていても、いつも同じコースだとマンネリになってしまうことがあります。
毎回同じコースだと物足りないという場合は、気分転換のためにコースを変えるのもいいですね。
大きな公園の中を歩いたりするのも悪くないかもしれません。
新宿御苑や代々木公園、日比谷公園、昭和公園……。アップダウンが多い公園はいくらでもあります。
たとえば、上野公園内には多くの美術館や博物館があります。美術館付近を通過するときに、今どのような催し物をやっているのか確認しながら歩くのも悪くありませんね…。
新宿御苑や代々木公園にも目印になるスポットがあるので、そこに到着したら少し休憩するとか、変化を加えながら歩くのもいいと思います。
坂道を歩くことが目的にならないように、自分なりに楽しみや変化を加えながら歩くことが継続する大きなポイントになるでしょう。
駅と駅の間を歩く
駅と駅の間を歩くのも、いろんな意味でメリットが多いです。
まずは電車代の節約になるということです。
ちょっとしたことかもしれませんが、駅間を歩いて少しでも料金が節約できると、うれしさと達成感が同時に味わえます…。
同じ路線の駅間はもちろんのこと、違う路線の駅間を歩くと、電車に乗っているときは気がつかなったような発見もあるのです!
「地形はこうなっていたのか…」とか、「こんなところにいいお店があるんだ」のように、歩いてみないと気づかなかった驚きや発見、さまざまな情報が自然と入ってくるようになるのです。
そして言うまでもなく足腰にいい作用があります。
また、リフレッシュできたり、気分を高めるという効果もありますね。
目的地に歩いて向かうということは、それだけでも大きなプラス効果がありますし、一挙両得ならぬ一挙三得くらいの効果があると思ってもいいでしょう。
いつ歩くか?
継続することをお考えなら、生活に支障のない時間帯を選ぶのは至極当然です。
そういう場合は通勤時間帯か、早朝、または帰宅後ということになるでしょう。
中でもオススメなのが早朝です。
なぜなら陽が上る頃の大気や光は一日の中でも最も気が流れる時間帯で、心が洗われる瞬間でもあるからです。
少し早起きして坂道を上がったり、下ったりするだけで、生活や一日の出発がグンと違ったものになるに違いありません。
前日の疲れやモヤモヤした気持ちをリセットしてくれることでしょう。
それ以外では無理のない時間帯を選んで歩くのがいいですね!
土日祝日に歩いて、慣れてきたら平日可能な時間に展開するのもいいでしょう。
健脚は健康のための財産
坂道を歩くことはダイエットをしたいとか、体脂肪を減らしたいとか、さまざまな目的があると思います。
でも目先の目的にとらわれてしまうと、いざその計画が挫折した場合に一気にトーンダウンしてしまいかねません。
それよりも健康な足腰をつくることは掛け替えのない将来への財産になることを意識して取り組むべきでしょう。
何もしなければ、確実に年々弱る傾向にある足腰を絶えずメンテナンスし、最良の状態、最高のパフォーマンスを発揮できるようにするには何よりも地道な健脚づくりが大切になります。
そして健康な足腰は年を重ねれば重ねるほど、自分の強い味方になります。
考えてみてください。
もし60、70になって足が云う事を効かなくなったり、思うように動かなくなってしまったらどうでしょう……。
自分が動きたいときに動けないというのは、とてもつらいものです。
生活の中で習慣づけましょう。
そうすれば多少の坂道を上ることも苦にならなくなります。無意識に歩くことが習慣づいてくると生活にハリが出てくるし、楽しくなります。
このような習慣がすっかり身につくと、きっと坂道のアップダウンを歩くのが気分爽快になるに違いありません!