- 2021年2月27日
無邪気な微笑みと人知れぬ涙と…。 モーツァルト『ピアノ協奏曲第12番』
モーツァルトの音楽は良質な絵本のよう 絵本はいつの時代も、大人が子どもに絵を見せながら読み聞かせるものとして親しまれてきました。幼い子どもたちの感性、創造性を育み、さまざまな教訓を自然に無理なく吸収できるものとして愛されてきたのです。 ところが今、絵本は大人も読んで感動したり、その楽しさを味わうものヘと変化してきています。 これはどういうことなのでしょうか……。冷静に考えると、絵本の […]
モーツァルトの音楽は良質な絵本のよう 絵本はいつの時代も、大人が子どもに絵を見せながら読み聞かせるものとして親しまれてきました。幼い子どもたちの感性、創造性を育み、さまざまな教訓を自然に無理なく吸収できるものとして愛されてきたのです。 ところが今、絵本は大人も読んで感動したり、その楽しさを味わうものヘと変化してきています。 これはどういうことなのでしょうか……。冷静に考えると、絵本の […]
唯一モーツァルトの音楽が歓迎された モーツァルトは1786年に空前の大傑作「フィガロの結婚」を世に送り出しました。 「フィガロ」は当時いろいろと物議を醸し出した(貴族社会を痛烈に批判した)問題作でもありましたが、モーツァルトがありとあらゆるインスピレーションの限りを尽くした意欲作でもありました。 ウイーンでの「フィガロ」の上演は成功には至りませんでしたが、唯一プラハ(当時のボヘミアの […]
室内楽には珍しい華のある音楽 今年は春先からの新型コロナウィルスの感染禍で、今なお世界中が大混乱に陥っています。 終息が見えない現状に困惑するとともに、見えない敵との戦いがこれほどまでに心と身体を疲弊させ、脅威になるとは思ってもみませんでした……。 それに加えて不安定な天候や自然災害も追い打ちをかけるように続き、心が休まらない日々が続きます。 こんな時こそ、セルフケアとして、心にたっ […]
母の死の悲しみを乗り越えて モーツァルトといえばあらゆるジャンルで名曲を残した不世出の天才作曲家ですね。今回の作品「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K364」も2つの弦楽器による協奏曲の名曲として演奏頻度も高いです。 彼の音楽の特徴といえば、何といっても天衣無縫で無垢な音楽の調べが魅力です。 そして明るく笑顔を振りまくメロディとは裏腹に、ときおり垣間見せる涙……。この上ない美しさと […]
あらすじ ある日、ドン・ジョヴァンニの従者レポレッロは、女性遍歴を次々と重ねる主人のやりたい放題ぶりを嘆いていた。 そこに騎士長の館から助けを呼ぶドンナ・アンナの悲鳴が聞こえて、ドン・ジョヴァンニが逃げ出してくる。娘を救うために騎士長が彼に決闘を挑むが、逆に殺されてしまう。 ドン・ジョヴァンニに捨てられた貴婦人ドンナ・エルヴィーラ、父を殺されたドンナ・アンナとその婚約者ドン・オッターヴィオ、恋人ツ […]
モーツァルトの魅力が全開! モーツァルトはピアノとの相性が抜群でした。彼がピアノ曲を作曲するときは、まるで自分の内面を吐露するように自由で束縛がなかったのかもしれません……。 改めていうまでもありませんが、モーツァルトのピアノソナタやピアノ協奏曲の、そのほとんどすべてがキラキラと輝くような傑作揃いです。 そして私たちの心を捉えて離さない魅力作が目白押しなのです。中でもピ […]
創作絶頂期の実りの一つ モーツァルトのピアノ協奏曲は、彼のあらゆる作品群の中で最も魅力的なジャンルの一つでしょう。 特に第20番からの作品の数々はモーツァルトでしか作れない無邪気さ、天衣無縫さに加え、いっそうの深みと透明感が加わります。 さて、モーツアルトのピアノ協奏曲第25番は1786年、ちょうどオペラ「フィガロの結婚」を完成させる前年に発表された作品でした。 輝かしく魅力いっぱい […]
あらすじ ある日のアルマヴィーヴァ伯爵家の出来事。 伯爵に仕えるフィガロと、小間使いのスザンナは二人の結婚式の準備をしていました。伯爵はスザンナがお気に入りで、あの手この手で誘惑しようと画策しています。「初夜権の復活」もその一つでした。 しかし、伯爵夫人は夫の愛情が冷めていることを嘆かわしく思っています。そこで、伯爵夫人とフィガロ、スザンナは伯爵を懲らしめるため、罠にはめる計画を立てたのでした。 […]
モーツァルトを代弁するピアノ モーツァルトはピアノに大変な愛着を持っていました。 当然ピアノの音色が心にも身体にも深く染み込んでいて、おそらく即興で作曲するときもピアノがモーツァルトの心をストレートに代弁していたのかもしれません。 中期のピアノ協奏曲の第15番K450もそんなモーツァルトの素直な心境があふれる傑作です。 なんと言ってもピアノの音色そのものに、モーツァルトの心の動きが現れているのです […]
あふれる涙と研ぎ澄まされた感性 交響曲第40番ト短調は昔から人気が高くポピュラーな作品です。 モーツァルトといえば、「アイネ・クライネ・ナハトムジークがいい」と言う人もいるでしょうし、「やっぱりフィガロの結婚だね」という人もいるでしょう……。 でもなぜか気になり、忘れられないのが交響曲第40番ト短調です。特に有名な第一楽章の第一主題のテーマは一度聴いたら忘れられない衝撃を受けることでしょう。 この […]