モーツァルト
- 2021年12月17日
圧倒的なフーガと究極の音楽美・モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」
古典交響曲の最高傑作 モーツァルトにとって交響曲は彼の作品の中でどのような位置づけだったのでしょうか? ベートーヴェンの場合なら交響曲は最重要なジャンルと考えて間違いないでしょう。第3「英雄」、第5「運命」、第6「田園」、第9のような歴史的傑作をはじめとして、彼が作曲した9つの交響曲は西洋音楽史を語る上で絶対に外せない交響曲ばかりですね! モーツァルトの交響曲は全部で41曲と言われています。 この […]
- 2021年6月20日
オペラに親しむならこれ!愛の尊さをユーモアたっぷりに描く!モーツァルト「後宮からの逃走」
天衣無縫なインスピレーション https://pin.it/6eHngFi 不世出の天才作曲家モーツァルトがその真価を最大限に発揮したのはまぎれもなくオペラでした! モーツァルトは比較的襟を正したスタイルの交響曲や宗教音楽でも、美しく格調高い作品が多いのですが、やはりオペラの生き生きした魅力には及びません。 オペラはモーツァルトの天衣無縫な創造のインスピレーションを縦横無尽に発揮できた格好のジャン […]
- 2021年2月27日
無邪気な微笑みと人知れぬ涙と…。 モーツァルト『ピアノ協奏曲第12番』
モーツァルトの音楽は良質な絵本のよう 絵本はいつの時代も、大人が子どもに絵を見せながら読み聞かせるものとして親しまれてきました。幼い子どもたちの感性、創造性を育み、さまざまな教訓を自然に無理なく吸収できるものとして愛されてきたのです。 ところが今、絵本は大人も読んで感動したり、その楽しさを味わうものヘと変化してきています。 これはどういうことなのでしょうか……。冷静に考えると、絵本の […]
- 2020年12月1日
「フィガロ」の絆が生んだ傑作交響曲・モーツァルト交響曲第38番「プラハ」
唯一モーツァルトの音楽が歓迎された モーツァルトは1786年に空前の大傑作「フィガロの結婚」を世に送り出しました。 「フィガロ」は当時いろいろと物議を醸し出した(貴族社会を痛烈に批判した)問題作でもありましたが、モーツァルトがありとあらゆるインスピレーションの限りを尽くした意欲作でもありました。 ウイーンでの「フィガロ」の上演は成功には至りませんでしたが、唯一プラハ(当時のボヘミアの […]
- 2020年10月23日
疲れた心に寄り添う室内楽の名曲・モーツァルト:クラリネット五重奏曲
室内楽には珍しい華のある音楽 今年は春先からの新型コロナウィルスの感染禍で、今なお世界中が大混乱に陥っています。 終息が見えない現状に困惑するとともに、見えない敵との戦いがこれほどまでに心と身体を疲弊させ、脅威になるとは思ってもみませんでした……。 それに加えて不安定な天候や自然災害も追い打ちをかけるように続き、心が休まらない日々が続きます。 こんな時こそ、セルフケアとして、心にたっ […]
- 2020年10月19日
2つの弦楽器が奏でる微笑みと涙・モーツァルト:協奏交響曲K364
母の死の悲しみを乗り越えて モーツァルトといえばあらゆるジャンルで名曲を残した不世出の天才作曲家ですね。今回の作品「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K364」も2つの弦楽器による協奏曲の名曲として演奏頻度も高いです。 彼の音楽の特徴といえば、何といっても天衣無縫で無垢な音楽の調べが魅力です。 そして明るく笑顔を振りまくメロディとは裏腹に、ときおり垣間見せる涙……。この上ない美しさと […]
- 2020年9月20日
プレイボーイに翻弄される女心とその顛末! モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」
あらすじ ある日、ドン・ジョヴァンニの従者レポレッロは、女性遍歴を次々と重ねる主人のやりたい放題ぶりを嘆いていた。 そこに騎士長の館から助けを呼ぶドンナ・アンナの悲鳴が聞こえて、ドン・ジョヴァンニが逃げ出してくる。娘を救うために騎士長が彼に決闘を挑むが、逆に殺されてしまう。 ドン・ジョヴァンニに捨てられた貴婦人ドンナ・エルヴィーラ、父を殺されたドンナ・アンナとその婚約者ドン・オッターヴィオ、恋人ツ […]
- 2020年5月23日
無邪気さと汲めども尽きない音楽の魅力が全開! モーツァルト「ピアノ協奏曲第23番」
モーツァルトの魅力が全開! モーツァルトはピアノとの相性が抜群でした。彼がピアノ曲を作曲するときは、まるで自分の内面を吐露するように自由で束縛がなかったのかもしれません……。 改めていうまでもありませんが、モーツァルトのピアノソナタやピアノ協奏曲の、そのほとんどすべてがキラキラと輝くような傑作揃いです。 そして私たちの心を捉えて離さない魅力作が目白押しなのです。中でもピ […]
- 2020年5月12日
澄んだ秋風を想わせる愉悦のハーモニー モーツァルト「ピアノ協奏曲第25番」
創作絶頂期の実りの一つ モーツァルトのピアノ協奏曲は、彼のあらゆる作品群の中で最も魅力的なジャンルの一つでしょう。 特に第20番からの作品の数々はモーツァルトでしか作れない無邪気さ、天衣無縫さに加え、いっそうの深みと透明感が加わります。 さて、モーツアルトのピアノ協奏曲第25番は1786年、ちょうどオペラ「フィガロの結婚」を完成させる前年に発表された作品でした。 輝かしく魅力いっぱい […]
- 2020年1月19日
コミカルな恋愛劇が織りなす人間模様 モーツァルト「フィガロの結婚」
あらすじ ある日のアルマヴィーヴァ伯爵家の出来事。 伯爵に仕えるフィガロと、小間使いのスザンナは二人の結婚式の準備をしていました。伯爵はスザンナがお気に入りで、あの手この手で誘惑しようと画策しています。「初夜権の復活」もその一つでした。 しかし、伯爵夫人は夫の愛情が冷めていることを嘆かわしく思っています。そこで、伯爵夫人とフィガロ、スザンナは伯爵を懲らしめるため、罠にはめる計画を立てたのでした。 […]