• 2020年11月9日

歌が心をつなげる。ロケ、音楽、演出が一体となった映画・サウンドオブミュージック

あらすじ 第二次世界大戦直前のオーストリア。 修道院に身を置くマリアは歌が大好き。いつも院を抜け出して、近くの山へ歌いに出かける日々。 規律の時間に遅刻をすることもしばしば。先輩の修道女たちを困らせていたのだった。 そんなある日。マリアをずっと見守ってきた修道院長は、トラップ大佐の邸宅へ行って子どもたちの家庭教師になるように勧める。 妻の死後、7人の子供たちを男手一人で育てていたトラップ大佐。その […]

  • 2020年11月1日

質実剛健でロマンの香りたっぷり!ブラームス・交響曲第3番

芸術的な味わいが際立つ ブラームスの交響曲第3番は、4曲の交響曲の中ではあまり特徴のない地味な作品のように思われがちです。 けれども芸術的な味わいや充実した構成で際立っているのが実は3番なのです。 1番のように演奏効果を狙ってないし、2番のように長すぎることはないし、4番のように渋すぎることもありません。(あくまでも個人的な印象なので参考程度に留めてください……) つまり自然な音楽の流れの中で、ブ […]

  • 2020年10月28日

忘我の表情を浮かべる悲劇のヒロイン J・E・ミレー 『オフィーリア』

『ハムレット』のヒロイン   センセーショナルで一度見たら忘れられない絵画ということでしばしば話題になるのが、ジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」です。 彼はイギリス・ラファエル前派の代表的な画家として知られています。 そのミレーの作品の中でとびきりの傑作として有名なのがここに紹介する『オフィーリア』ですね。 おそらくミレーの名は知らなくても、この絵を知っている人は少なくないか […]

  • 2020年10月23日

疲れた心に寄り添う室内楽の名曲・モーツァルト:クラリネット五重奏曲

室内楽には珍しい華のある音楽   今年は春先からの新型コロナウィルスの感染禍で、今なお世界中が大混乱に陥っています。 終息が見えない現状に困惑するとともに、見えない敵との戦いがこれほどまでに心と身体を疲弊させ、脅威になるとは思ってもみませんでした……。 それに加えて不安定な天候や自然災害も追い打ちをかけるように続き、心が休まらない日々が続きます。 こんな時こそ、セルフケアとして、心にたっ […]

  • 2020年10月19日

2つの弦楽器が奏でる微笑みと涙・モーツァルト:協奏交響曲K364

母の死の悲しみを乗り越えて モーツァルトといえばあらゆるジャンルで名曲を残した不世出の天才作曲家ですね。今回の作品「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K364」も2つの弦楽器による協奏曲の名曲として演奏頻度も高いです。 彼の音楽の特徴といえば、何といっても天衣無縫で無垢な音楽の調べが魅力です。 そして明るく笑顔を振りまくメロディとは裏腹に、ときおり垣間見せる涙……。この上ない美しさと […]

  • 2020年10月13日

「目は心の窓」、信頼される眼差し・表情を獲得する7つのポイント

昔から「目は心の窓」とか、「目は口ほどに物を言う」などと言われてきました。 このような諺があるように、目は顔の中でも、その人の人柄や印象を決定づけてしまうといわれるほど大切なパーツです。信頼関係が築かれるのも、相手の目をみて「この人は間違いない」と認識するからなのです。 目や眼差しはメイクや化粧品で整えると考える方が多いかもしれません。もちろんそれは外見や身だしなみを整えるという意味でとても重要で […]

  • 2020年10月5日

オラトリオの醍醐味が凝縮されたヘンデル初期の傑作『エステル』 

ヘンデル・オラトリオの入門編として最高! ヘンデルは生前20数曲のオラトリオを書いたといわれています。オペラも含めればその3倍以上にもなるのでしょうが、これは大変な数です。 そこで誰もが悩んでしまうのが一体どの作品から聴いたらいいのかということですよね……。 一般的には知名度が最も高く、録音や公演数も圧倒的に多い「メサイア」から聴き始めるというのが暗黙の了解のようになっているところがあるかもしれま […]

  • 2020年9月27日

挫折と偏見を越えて到達した農村での自然体の画境 ミレー「晩鐘」

農業への喜びが垣間見える傑作 ミレーの「晩鐘」は、彼がバルビゾンに腰を据えて農民たちの連作を次々と発表した頃の代表作です。 「晩鐘」はもはや説明する必要のない絵ですね! 「落穂拾い」と並ぶミレーの代表作ですし、人気作としても有名です。 テーマは夕暮れの中で真摯に祈りを捧げる農民たちの姿を描いた、ごくありふれたものなのですが、画面からは何とも言えない懐かしさや郷愁、優しさが伝わってきます。 牧歌的な […]

  • 2020年9月20日

プレイボーイに翻弄される女心とその顛末! モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

あらすじ ある日、ドン・ジョヴァンニの従者レポレッロは、女性遍歴を次々と重ねる主人のやりたい放題ぶりを嘆いていた。 そこに騎士長の館から助けを呼ぶドンナ・アンナの悲鳴が聞こえて、ドン・ジョヴァンニが逃げ出してくる。娘を救うために騎士長が彼に決闘を挑むが、逆に殺されてしまう。 ドン・ジョヴァンニに捨てられた貴婦人ドンナ・エルヴィーラ、父を殺されたドンナ・アンナとその婚約者ドン・オッターヴィオ、恋人ツ […]

  • 2020年9月11日

音楽シーンを彩ったニューエイジミュージックの音楽家たち2・西村由紀江

懐かしさとピュアなメロディ ニューエイジミュージックが日本で注目された1980年代は、世の人々が環境問題に目を向け始めた時代でした。 また多くの人が、癒やしや潤いを本格的に求め始めた頃だったように思います。   さて、ニューエイジミュージックというと、「ああ、ムード音楽ね」ととらえる方も少なくないようです。 また作品の完成度がどうとか、芸術性云々と言われる方も中にはいらっしゃるかもしれま […]