最強の情報ツール
地図帳を眺めていると、いつも不思議に思うことがあります。
それはどれだけ眺めていても飽きないということなのです。
私は小学校の頃から地図帳を眺めるのが大好きでした。とにかく何時間見続けても飽きないのです……。
おかげで学校から配られた地図帳はボロボロで、ほどけたページをテープでくっつけるという状態でした!
遂には学校で使う地図帳だけでは足らず、市販の地図帳を2.3冊買い求めるようになったのです。
どうしてそんなに地図帳を眺めるのが好きだったのかといえば、テレビや新聞などで聞いたことのある場所を地図上で確認することで、「こんなところにあるのか」とか、「意外と小さな国だなぁ」というように自分の意識の中でしっかりしたイメージが定着するのです。
気になったら地図帳を開いてみるというのが、いつの間にか習慣化していたようですね。
それだけではありません。
気になった国や町を地図で確認すると、どういうわけかその途端に人口、産業、政治、歴史、宗教、教育水準など、それにまつわる情報を芋づる式に知りたくなるのです。
いわば自分にとって地図帳は、知的好奇心を満たす最強の情報ツールであり、そこから得られた知識や情報は今も大切な情報発信源になっているのです。
創造性を育む
上記のように、地図を眺めていると、いろんなことに興味が湧いてくるし、自然科学や地質学、海洋学……、ありとあらゆる様々な分野に応用展開も可能です。
無味乾燥な文字情報も、地図という目に見える形で表現されると情報の信憑性が増しますし、大いに理解しやすくなります。
「山に囲まれた盆地だから、冬はきっと雪が多くて寒いんだろうな」とか、「肥沃な平野が広がっているから農作物がよく穫れるんだろうな…」などのように、地形や周囲の環境、海流の影響などでおおよその土地のイメージが連想出来るようになります。
また地図上の地形やその成り立ちは、誰が作ったのだろう…と思うほどよく出来ているし、本当に神秘的ですね。
海流、山並み、平地、砂漠、河川は相互に影響を及ぼしあっていますし、人々の生活にも決定的な影響を与えているのがわかります。
人間と自然が共存するにはどうしたらいいのかとか、人間には何が出来るのかというデータや材料を提示してくれるのも地図帳なのです。
Google mapは情報が豊富ですし、確かに便利です。世界の街並みを閲覧できるストリートビューなどは地図の概念を変える革命的な試みだといえるでしょう。
でもGoogle mapはあくまでも目的があって検索する、いわゆるピンポイントで情報を得たいときに重宝するものです。
やはり、世界を俯瞰した情報を得るためには地図帳は必要不可欠です。
紙の手触りも然ることながら、世界の動きを比較対照して見られることや、様々な想いをめぐらすことができるのも地図帳の大きな魅力でしょう。
地理が大好きになる
地図帳を眺めていると、意識しなくても地理に興味が湧き、自然と好きになっていきます。
中学校や高校で習う地理は、絶対に暗記するような教科ではありません。暗記するから苦しい想いをして勉強しなければならなくなるんです。
教科書を見ても一向に頭に入ってこない……というのであれば、もう教科書を読むのをひとまず置いといて、地図帳を眺めることをオススメします。
地図帳はどこから開いてもまったく問題ありません。自分の関心のあるところから見ていけば、いろんなことが少しずつ見えてくるはずです。
理論理屈ではない地形の面白さや、神秘的な出で立ちに新鮮な感動を覚えるかもしれません。
そうすればシメタもの!
たとえば、各国特有の地形がありますよね……。ノルウェーやフィンランドであれば北欧特有のフィヨルド地形(氷河の浸食によって作られた入り組んだ地形)があります。
また、エジプトのナイル川流域やブラジルのアマゾン川流域などには広大なデルタ(三角州)地帯が広がり、独自の農業や文化を形成しています。
地図を眺めていると、そこに住んでる人の暮らしや文化などの様々な特徴が見えてくるはずです。その時こそ、平面的な情報が生きたリアリティのある情報として、私たちの心に呼びかけてくるようになるのです。
視野が大きく広がる
私にとって地図帳は単なる書物ではありません。
テレビのニュースやネット記事などで流れる世界情勢は、刻一刻と変化していますし、リアルタイムで入ってきていますね。
しかし、海外の出来事は、所詮自分と関係ない遠い国の出来事と思っていませんか?
でも、ちょっと待ってください。そこで少しニュースの出来事に関心を持って地図帳を眺めると、そのニュースは他人事でなくなるかもしれません…。
ニュースをチェックした後に、その舞台となっている国や地域を地図帳で調べると面白さと理解力が俄然アップします。
たとえば、日本とロシアの外相会談がロシアのウラジオストクで行われたとします。
その時に「ウラジオストクってどこだろう…?」と思って眺めると、意外にも日本にとても近い町だったりするのです。すると、そこから多方面に関心が向けられるようになります。
たとえば「外相会談が行われるくらいの町なら、観光としても魅力のある美しい街並みなんだろうか?」とか、「おいしい店が多いんだろうか?」、「極東だけど、どんな人たちが住んでるんだろうか?」などなど、様々な疑問や関心事が出てくるはずです。
検索したり、調べたら想像以上に魅力的な町なのかもしれません…。
そういうちょっとした事から多方面に興味が出てきて、これまで無味乾燥だと思ってきた世界の国々のことや歴史、文化、生活習慣を無性に知りたくなったりするものです。
地図は多方面に視野を広げ、世界観を変えてくれるものでもあるのです。
白地図作成の価値
白地図を利用して、自分だけの情報地図・データをつくることも大いにオススメしたいと思います。
自分だけの地図を作ると何がいいのかというと、自分仕様なので見やすく使いやすいことと、無駄な情報を排除して自分の関心事や趣味に特化しているので利用価値が高いのです。
また、仕事や趣味で役に立ったり、様々なシーンで活用できたりもします。
オリジナルの地図をつくると、後々何かと重宝します。コピーしてカテゴリー別のファイルを作るも良し、スキャンしてデータ化したり、スマホやタブレットにデータとして保存して持ち歩くのもいいでしょう!
白地図を作る事に関しては、また別の機会に詳しく説明していきたいと思いますね。