バーブラ・ストライザンド圧巻の歌と演技 映画「ファニーガール」

豪華キャストの顔合わせ

BARBRA STREISAND
BARBRA STREISAND / JCT(Loves)Streisand*

 

ミュージカル映画が下火になり始めた1960年代後半、驚きの魅力作が登場します。 ファニーガール(1968年)です。

ファニーガールはブロードウェイで活躍した喜劇女優ファニー・ブライス(1891-1951)の自伝的ミュージカルを題材にした作品で、1964年にブロードウェイで初演の舞台が開始されると、1300回以上の大ヒットロングラン上演となったのでした。

オスカーを獲得経験のある女流作家、イソベル・レナートが原作・脚本を担当し、「ローマの休日」「ベン・ハー」などでアカデミー賞を3度獲得した巨匠ウィリアム・ワイラーが監督したミュージカル映画です。

そして、ワイラー監督がミュージカル映画でメガホンを取るのはこれが最初で最後だったのでした。

もともと人物描写には長けた人ですから、キャスティングもなかなか的を得ていましたね。コミカルな味わいあり、しっとりとしたペーソスな要素ありの魅力的な作品に仕上げているのです!

撮影は、「マイ・フェア・レディ」のハリー・ストラドリング、作詞はボブ・メリル、作曲をジュール・スタインが担当しています。

出演は、ブロードウエイの舞台で当たり役となったバーブラ・ストライサンドが主役のファニーを演じています。

その他、「ドクトル・ジバゴ」のオマー・シャリフ、ケイ・メドフォード、アン・フランシス、ウォルター・ビジョン、リー・アレンなど豪華な顔ぶれが揃います。

バーブラの圧倒的な存在感!

BARBRA STREISAND
BARBRA STREISAND / JCT(Loves)Streisand*

 

この映画で目をひくのが、映画初出演で主役のバーブラ・ストライザンドの歌と踊り、演技の圧倒的な素晴らしさですね!

バーブラの歌は特別に声量があるわけではなく、美声に恵まれているわけでもありません。

しかし、一度歌うと完全に人の心をつかんで離さない感情移入の深さや、その場の雰囲気を一変させるソウルフルな歌がすべての人をノックアウトしてしまうのです。

それは踊りや演技も同じで、アドリブで演じてるのかと思うほど自然で存在感があるのです。

バーブラが歌うミュージカル・ナンバーは、「私は大スターよ」「ローラ・スケート・ラグ」「ブルーなわたし」「ピープル」「パレードに雨を降らせないで」「ファニー・ガール」「マイ・マン」など、どれもこれもオリジナリティに溢れていて素晴らしいの一言です! 

でも一曲と言われたら、やはり「ピープル」ということになるでしょう……。何度聴いても飽きないし、他の誰も真似できないバーブラの魅力が集約された絶品ナンバーなのです。

 

あらすじ

寂れたウィンター・ガーデン劇場の舞台、ジーグフェルド一座の名優、ファニー・ブライス(バーブラ・ストライサンド)は物想いに耽っていた。

スターを夢見る踊り子ファニーは、器量も良くなく、他の踊り子と振り付けを合わせられなかったり、ヘマ続出で劇場主をおこらせてばかり…。しかし数々の失敗も観客には大受けで、拍手喝采を受けるのだった。

そんな彼女の前にギャンブラーで紳士のニック(オマー・シャリフ)が現れる。そのときファニーの心にニックが強く印象づけられたのだった。

ある日ファニーは憧れのジーグフェルド一座に招かれて出演するのだが、豪華絢爛なショーを自己流で喜劇に変えてしまう。しかし、そのショーが評判となり、ジーグフェルド一座のコメディアン・シンガーとして正式に雇われ、スターとして大喝采を受けることになる。

その後、再びニックが現れた。そして2人はお互いにひかれあい結婚する。

子宝に恵まれ、ファニーは家庭的な幸せを満喫していた。だが、しばらくするとニックの仕事が難しくなり、経済的に行き詰まる。ファニーは再び舞台での仕事を望むのだが……。

見どころ・聴きどころ

I’d Rather Be Blue

振り付け師に気持ちを買われ、ローラースケートを使ったショーに出演するものの、これも大失敗……。

ところが、それが観客に大いに受けて、劇場主もファニーを高給で雇わざるを得なくなります。最初はぎこちない仕草のバーブラが、最後は自信満々で歌い上げる様子が何とも言えません。

people

ニックを意識したときに自分の心の内を歌う、あまりにも有名なナンバー。バーブラが歌うと切なくなるほど美しく、胸に染みますね。

「人は決して一人では生きてゆけない。強がっていたりするけど、結局は子供なんだよ。誰かを求めている。でも愛する人がいると、心を癒やされ魂が満たされる……」

You are Woman I am Man

お茶目でコミカルなナンバー。ニックとファニーのやりとりが、人を食ったような絶妙な駆け引きで面白く聴かせてくれます。

Don’t  Rain on  My  Parade

たとえ何があろうとも、私はやるべきことをやり抜く……。その強い意志のあらわれとバーブラのアグレッシブでパンチの効いた歌声が忘れられません!

 

ファニー・ガール [DVD]

 

Funny Girl (Original Soundtrack Recording)

 

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