• 2023年3月6日

春の到来に胸躍らせる喜びの交響曲! シューマン・交響曲第1番「春」

人生の「春」を謳歌   昔から幸福の絶頂期に書かれた作品は、不朽の名作が誕生しやすいとよく言われています。 喜びや未来ヘの希望がエネルギーとなって創作力を奮い立たせるからなのでしょうか……。 それが事実だとすればロベルト・シューマンの交響曲第1番「春」も充分それに当てはまりますね。 しかもわずか4日ほどで「燃えるような想い」を抱くこの交響曲は書きあげられたのです! 特に「春」が作曲された […]

  • 2023年2月19日

若々しい情熱が爆発するシンフォニックな名曲、ブラームス・ピアノ協奏曲第1番

若々しい情熱が爆発する作品 Embed from Getty Images ユジャ・ワンのピアノとヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団によるブラームスのピアノ協奏曲第1番(2018年2月28日)   ブラームスのピアノ協奏曲第1番は有名なピアノ協奏曲第2番に先駆けること22年も前に作曲されたピアノ協奏曲です。 「血湧き肉躍る」という表現が適切かどうかわか […]

  • 2023年1月29日

夢とロマンが美しく交錯する・シューマン「幻想小曲集」

8つの小曲から成るピアノ曲   幻想小曲集(Fantasiestücke)作品12は、シューマンが1837年に作曲した、8曲からなるピアノ曲集です。 「幻想小曲集」というタイトルのとおり、どの曲も単独の小曲として完成しています。 小曲が集まった作品としては、ちょうどグリーグの「抒情小曲集」と同じように捉えていいかもしれませんね。 ピアノリサイタルなどで女性ピアニストが第2曲「飛翔」、第5 […]

  • 2023年1月12日

演奏する喜び、聴く楽しみがあふれる!モーツァルト・2台のピアノための協奏曲

演奏する喜び・楽しみ!   モーツァルトの「2台のピアノのための協奏曲K.365」は私が大好きな曲です! 颯爽としていて、音楽にまったく淀みがありません。そのうえ、明るくて生き生きとした情感が気分を高めてくれるのがいいですね。 何より魅力的なのが、終始ピアノを演奏する喜び、楽しみで音楽が埋め尽くされていることでしょうか……。 作曲家の目線で見ると、どうしても交響曲や協奏曲というジャンルの […]

  • 2022年12月24日

限りない愛と優しさが心に迫る! モーツァルト・ピアノソナタK311

旅の途上の作品 モーツァルトが1777年9月から1779年1月までの約1年4ヶ月を費やしたマンハイムからパリへの旅。 この旅はモーツァルトに大きな心の傷を残す失意の旅となったのでした。 求職活動はことごとく失敗に終わり、片思いに似た失恋を経験し、ついには旅の道中で最愛のお母さんも亡くすことになります。  この旅の途上、マンハイムでは2曲の美しいクラヴィーア・ソナタが誕生します。 ハ長調 K309と […]

  • 2022年12月12日

強固な存在感と穏やかな空気!セザンヌ「レスタクから眺めるマルセイユ湾」

  画家の心を刺激した町 絵のテーマになったレスタクは、南フランス・マルセイユ近郊の港町です。 ここは19世紀後半、多くの印象派の画家たちが風光明媚な街並みや原色のパレットのような海に魅せられて訪れた所でした。 地中海に面してマルセイユ湾が広がっていて、丘陵の素晴らしい背景と、青い海に映える真っ白な街並み、例えようのない光と色彩の美しいコントラスト……。 これは画 […]

  • 2022年12月3日

漂う優しさと潤いに満ちたハーモニー! モーツァルト・ピアノ協奏曲第17番K.453

あふれる木管楽器の魅力 ピアノ協奏曲第17番K453はモーツァルトがピアニストしてウィーンで一世を風靡していた頃の作品です。 もともと木管楽器の使い方の上手さに定評があるモーツァルトですが、この作品での最高のセンスと絶妙な表現には啞然とします! たとえば第一楽章の序奏部分ですね。 随所で微笑むように響き渡るファゴット、オーボエ、フルート、クラリネット等の響きはまるで癒やしの響き、鳥や虫たちの自然の […]

  • 2022年11月16日

笑みがこぼれる晴れやかなミサ曲・ハイドン「聖チェチーリアミサ曲」

型にはまらないミサ曲 ハイドンは生涯ミサ曲をはじめとする宗教曲をたくさん作りましたが、どれも型にはまらない独自の個性が光る名曲揃いです。 「聖チェチーリアミサ」は同じハイドンのネルソンミサやテレジアミサのような有名曲に比べれば認知度で譲るかもしれません。しかし、とびきりの名曲であることに変わりありませんよね。 ミサ曲といえば、一般的にカトリックの典礼に沿った神聖な音楽であるべきという認識が強いよう […]

  • 2022年11月1日

前衛?芸術?センセーショナルな議論を呼んだストラヴィンスキー『春の祭典』

バレエの概念を根底から覆す バレエ音楽『春の祭典』というと、皆さんはどのようなイメージが浮かぶでしょうか? おそらく「ああ、あの前衛的な音楽ね」とか、「何だかよく分からないけど、原始的なエネルギーが凄い迫力」、などのような感想が圧倒的でしょう。 今や現代を代表する最も有名なバレエ音楽で、知らない人が少ないのではないかと思えるほどの名曲ですね! 発表当時(1913年)センセーショナルな話題を提供し、 […]

  • 2022年10月22日

雪景色が伝える至福の瞬間・モネ『アルジャントゥイユの雪』

自身の発見や感動を描写   モネの風景画を見ると、どの絵にもモネ自身の発見や感動が作品に注がれていることが伝わってきます。  また観察眼が鋭く、構図の取り方や色彩のデリケートな配色も絶妙! 『アルジャントゥイユの雪』も非常に美しい絵ですね。 彼の描いた雪の情景は傑作が多いのですが、この絵も実に豊かな感性に彩られています。 雪景色の光に映える美しさを 見事に表現   この絵の最大 […]