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アートエッセイ

  • 2019年9月27日

ファンタジー、私小説!? グールドが到達したピアノの記念碑 バッハ「ゴルトベルク変奏曲」

こだわり抜いた超絶的な名演奏 ピアニストが自分の好きな作品を、自分の好みの表現で徹底的に極めていけたとしたら、これほどピアニスト冥利に尽きることはないでしょう。 それを実現した演奏があります。 グレン・グールドが1955年と1981年に録音したバッハの「ゴルトベルク変奏曲」です。 グレン・グールドがセンセーショナルなデビューをはたしたのがバッハの「ゴルトベルク変奏曲」でした。奇しくも最期のレコーデ […]

  • 2019年9月18日

音楽が呼吸し、心を溶かす!グールドのバッハ「インヴェンションとシンフォニア」

理屈ではない生きた音楽体験   皆さんは20世紀の名ピアニスト、グレン・グールド(1932-1982)の演奏時の映像をご覧になったことがあるでしょうか? おそらく、「おやっ!」と思われた方は多いはずです。 異常に背丈の低い椅子にかがむように座り、鍵盤を舐めるように弾く姿……。そして鍵盤を弾くやいなや、音楽に合わせるように鼻歌(唸り声?)を歌い始めるではありませんか。 しかも鼻歌は弱まる様 […]

  • 2019年8月5日

クラシック音楽がもたらす効果と魅力とは?(2)

自分の視点が鑑賞を深める   一般的にクラシック音楽は大作曲家が残した作品や、その演奏を聴いて楽しむことですね。 受け身だと思われがちな音楽鑑賞ですが、場合によっては聴き手が創造の過程に加わっているような感覚を味わえることもあります。   たとえばモーツァルトの有名なセレナーデ「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を聴いたとしましょう。そして、それが流麗でリズミカルな演奏だったと […]

  • 2019年7月26日

格調高い響きを古楽器の明晰なスタイルで実現! コレギウム・アウレウム合奏団「ヘンデル、合奏協奏曲作品6」

[btn][/btn] コレギウム・アウレウム合奏団と言えば、懐かしく思い出される方もいらっしゃるかもしれません…。1970年、1980年代に盛んに演奏活動を行っていたドイツのオリジナル楽器演奏の団体です。 スイス・バーゼルのスコラ・カントルーム合奏団と同様に、古楽器演奏の先駆けを築いた名室内楽団といえますよね。 偶然にも両者はヘンデルの合奏協奏曲作品6を得意とし、それぞれ録音を残していてくれたの […]

  • 2019年6月24日

クラシック音楽だけが持つ魅力1 感性を引き出し、創造性を高める効果

以前からクラシック音楽は「ヒーリング効果がある」とか、「お腹の赤ちゃんが子守唄のように聴いている」とかいろいろな噂があたかも本当のように伝えられてきました。 でも何の根拠があってそんなことが言われているのか? 不思議に思われる方も結構いらっしゃるのではないでしょうか……。 そこで、今回はベートーヴェンやモーツァルト、ショパンのように評価が確立した作曲家たちが残した作品。つまり、「クラシック音楽だけ […]

  • 2019年2月28日

古楽の巨匠ブリュッヘンが遺したフランス・バロック音楽の芳醇な味わい

18世紀の歓びや哀しみが現代に蘇る 古楽の世界的な名手であり、18世紀オーケストラを設立して指揮活動も盛んに行ってきたフランス・ブリュッヘンがこの世を去ってから5年の歳月が流れようとしています。 クラシック界にとってかけがえのない人を失ってしまったという喪失感は大きいものがありました……。 ブリュッヘンの偉業については改めて申しあげるまでもないでしょう。 リコーダー奏者として、古楽の魅力を全世界に […]

  • 2019年2月20日

しなやかで聴きごたえ充分のベートーヴェン! カルロス・クライバー「ベートーヴェン交響曲第7番」

ベートーヴェンの中期の傑作 ベートーヴェンの交響曲はとっつきにくいと思われてます。確かに演奏は難しいし、曲の本質を汲み取るのが大変なのも事実でしょう。 しかし、聴けば聴くほどにベートーヴェンの深い着想やインスピレーションには唸るしかないし、ただただ驚かされるばかりです。 そして全曲を聴き終わると、たとえようのない、大きな何かに包み込まれたような感覚が残るのもベートーヴェン独特の魅力なのです。 また […]

  • 2019年1月22日

神秘のベールを剥いだモーツァルト「レクイエム」 新時代の名演奏、アントニー・ウォーカー盤

エピソードだけがひとり歩きする現実 モーツァルトのレクイエムは彼が死の直前まで取り組んだ最後の傑作(後半の部分は弟子のジュースマイヤーが補筆完成)であると言われてきました。 しかし、謎の人物から作曲依頼を受けたことやモーツァルトの死期が迫っていたことが、「影があり、死を匂わせる作品」としてミステリアスなイメージが定着してしまったのも事実です。   また1984年に公開されてアカデミー賞8 […]